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2022.07.21 09:00

アポロ11号「人類初の月面着陸」の貴重な品々がオークションに

Photo by CBS Photo Archive/Getty Images

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1969年のアポロ11号の月着陸船パイロットとして人類初の月面着陸に貢献し、月面歩行を行った史上2番目の宇宙飛行士として知られるバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)が、NASAのミッションに関連する品々を今月末のサザビーズのオークションに出品する予定だ。

出品されるアイテムの中には、オルドリンが月への往復に着用した機内用ジャケットがあり、アポロ11号のミッションパッチの上にシリアル番号1039と「E. Aldrin」の名前がプリントされている。サザビーズは、この品の落札額を200万ドル(約2億7500万円)と予想している。

オルドリンと共に月に行ったニール・アームストロングとマイケル・コリンズが着用したジャケットはスミソニアン博物館に収蔵されているため、今回のオークションはアポロ11号関連の衣服を個人が購入できる唯一の機会になるとサザビーズは述べている。

もうひとつ注目すべきアイテムは、月面での作業中に緩んでしまったサーキットブレーカーのスイッチと、オルドリンがエンジンに点火するのに使ったフェルトペンの組み合わせだ。この2つの品は、これまでオルドリンがシアトルの飛行博物館や、スミソニアン航空宇宙博物館などに貸し出していたもので、100万ドルから200万ドルの落札額が予想されている。

さらに、もう一つの貴重な品は、オルドリンが月面に持参したシステム起動の際のチェックリストで、これは本来であれば月面で捨ててくるように指示されていたものだという。チェックリストには、オルドリンが月面にいる間に書いたメモが残されており、15万ドルから25万ドルの値がつくと予想されている。

現在92歳のオルドリンは、1969年のアポロ11号ミッションの乗組員の中で唯一生存している人物だ。宇宙関連の貴重なアイテムは近年オークションで人気を博しているが、背景にはイーロン・マスクらによる宇宙ベンチャーのおかげで、宇宙旅行に対する関心が再び高まっていることが挙げられる。

今年4月には、アポロ11号でニール・アームストロングが採取した月の塵のサンプルが競売にかけられ、50万4375ドル(約6300万円)で落札されたが、これはアポロ計画で地球に持ち帰られた月の石や塵を民間人が所有することは許されないと主張したNASAが法廷闘争に敗れた後のことだった。

これまでの宇宙開発のアイテムの競売での最高落札額は、2011年のオークションでソビエト時代の宇宙カプセルに支払われた290万ドルとされている。この宇宙カプセルは、1961年に宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンを宇宙に送り出したボストーク1号の打ち上げに至るまでの無人実験に使用されたものだった。

編集=上田裕資

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