古い考え方や行動を捨てる「アンラーン」で急激に変化する現代を生き残る

アンラーニングとは新たなラーニング(学習)だ


例えば「学校では先生が模範を示し、それに従えば『A』をもらえます。ビジネスや人生に模範が存在することは滅多にありません。あったとしても、それに従った結果は平均点であって、並外れた成果にはつながりません」

さらに彼はこう続ける。「学校では、教育は目的を達成するための手段とみなされています。よい成績をあげ、よい大学へ行き、よい仕事につく。ビジネスや人生では、「教育に最終目的はありません。好奇心、向学心、そして選んだ仕事を楽しむことが、ビジネスの成功と人生の喜びにとって不可欠です」

アンラーニングは、ハードスキル、すなわち得た知識を使いこなす能力へと拡張される。COBOLを使っている開発者や、最近Javaを使っている開発者でさえも、クラウド環境で一般的になっているPythonなどのプログラミング言語に移行しなくてはならないことがある。データベース管理者は、旧来のリレーショナル・データベース的思考から離れ、グラフデータベースのような新しいデータ整理方法を取り入れる必要がある。管理職は、対面ミーティングにこだわるのではなく、バーチャルミーティングや共同作業用メッセージングシステムを使った方法を活用しなければならなかった。2020年の新型コロナ危機を通じて、数多くのアンラーニングが起きた。

仕事に対する態度の変化にともなうテクノロジーシフトは、「単調なアナログ世界から急激に変化するデジタル世界へのシフト」をも意味しているとネヴシェアはいう。「以前とは異なり、今私たちは人工知能とビッグデータとパターン認識アルゴリズムの力を組み合わせることで、それまで無関係だったデータを元に、意味のある活用可能な分析を行うことができます。同じように、私たちは世界79億人全体の、つながった情報に基づく意識からも学び取る必要があるのです」

アンラーニングとは、現状に適合することは機敏な方法であることを意味している、とオライリーはいう。「時代遅れの情報から離れ、新しい情報を考えに取り入れることで、結果的に自分の行動を順応させられる能力を開発する必要があります。大きく考えながらも、小さくスタートし、心地よさよりも勇気を選ぶことで、それまで可能だと思ったことのなかった場所に行くことができるのです」

翻訳=高橋信夫

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