ポルノがあなたや愛する人に与える影響を教えてくれる心理学の新たな研究

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心理学者のスティーブン・サマットは、私たちの脳はすべて即効性の報酬を得たがるようにできているため、ポルノ消費によって引き起こされる中毒性の影響を受けない人はいないと主張している。

サマットによれば、ポルノグラフィー中毒は、不安症やうつ病など、精神的に幅広い影響を及ぼす可能性がある。この他にも、ポルノ依存症が影響を与えるものには以下のようなものがある:

1. 自分自身の捉え方(自尊心)

2. 他者への認識。もし他人が自分の楽しみのために存在すると考え始めると(つまり、他人をモノ扱いすると)、他の人をどのように扱えるか / 虐待できるかに対する限界がなくなってしまう

3. 生活と現実の認識への影響。人は「非現実」の中で生きることに慣れてしまい、現実との付き合い方がわからなくなる。

4. もし主たる衝動が自分を喜ばせること(快楽主義)ならば、この衝動は薬物乱用で観察されるものと変わらない。薬物使用者は、通常の生活を送り日常業務をこなすことを犠牲にして、刺激を求めることに夢中になる

サマットは、この強力な中毒に対抗する1つの方法として、信仰と道徳を自分の人生に徹底的に植えづけることを挙げている。サマットによると、この問題を解決するために信仰と道徳がもたらすメリットは2つあるという。

1. 信仰や道徳は、人をどのように見て、どのように扱うべきかという基準に加え、自分の成長や発達に挑むための一定の行動基準を人間に提供する

2. 神経学的なレベルでは、信仰と道徳はともに上位脳の実行機能を駆動する。したがって、信仰と個人の動機づけが組み合わさることで、脳の焦点を衝動的な動きから遠ざけることができる。

ポルノの消費はより大きな問題の徴候の可能性がある


また別の新しい研究によると、ポルノの消費は性格の暗部を明らかにする可能性がある。心理学者のミゲル・ディアスは、ポルノグラフィは、暗い性格や虐待的な性格の人のプロファイルに存在する、次のような一連の要素によって特徴づけられると説明する。

1. ころころと変わるパートナー
2. 浮気
3. 性的関係における新しい感情の探求
4. 新しい体験への挑戦

また、ほとんどの場合、ポルノグラフィーは女性を受動的な役割に置き、男性の快楽に応えるためだけに存在し、男性は女性を支配し苦痛を与えることに喜びを見出すように描かれている。いずれもナルシスト的やサディスト的な性格に関連する傾向だ。

別にポルノを楽しむ人全てが暗い性格の持ち主であると言っているのではない、ただし、ポルノの消費は、基底にある性格の何らかの傷を示す兆候かもしれない。

ほとんどの行為と同様に、ポルノの消費とポルノに対する態度は、人間にとってより大きな人生の物語の一部なのだ。それに甘んじるかどうかは別として、自分との関係を探り、理解することは価値があるだろう。それは、新しいレベルの自己洞察に到達する助けになるかもしれない。

翻訳=酒匂寛

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