なぜ企業は採用活動を休止するのか?
記録的なインフレ、サプライチェーンの混乱、東ヨーロッパでの戦争、連邦準備銀行の利上げなどが重なり、景気後退が懸念された。また、株式市場や暗号市場が急落し、さらなる懸念が加わった。
この新しく、先行きの見えない環境に対応するため、多くの企業が採用の凍結を実施したのだ。テック系大手のGoogle(グーグル)は、暗い見通しを示した。グーグルの親会社であるAlphabet(アルファベット)のCEOサンダー・ピチャイは先に、従業員に宛てた社内メールで、より緊急性をもって仕事に取り組み、より鋭い集中力を持ち、起業家精神をもって行動するようにと伝えたようだ。ピチャイによると、同社は採用のペースを落とすとのことだが、これは採用凍結を聞こえがいいように表現したものだ。その底流にあるのは、自分たちの仕事を維持するためには、物事を成し遂げる必要があるということだ。テック分野で何万人もの労働者がリストラされたように、決してこれはぼんやりとした、さりげない脅しではないのだ。
将来が危うくなると、企業が採用を控えたり、止めたりするのは合理的なことだ。採用を継続し、状況が悪化した場合に解雇するよりも、一時停止ボタンを押す方が経営者にとって安全なのだ。保守的なリーダーシップにおいては、採用を凍結すれば、新しい従業員を迎え入れる必要がなくなるため、お金の節約になる。また、労働者に対しても、自分たちの仕事がやや不安定であり、しっかりと実力を出さなければならないというメッセージを送ることができる。
どのような企業が採用凍結を実施しているのか?
Microsoft(マイクロソフト)は5月、同社のソフトウェアグループの採用ペースを下げると発表した。Meta(メタ)も同月、一部のチームに対して採用凍結を宣言した。CNBCへのメールで、広報担当者は、「我々は定期的にビジネスニーズに応じて人材のパイプラインを再評価しており、決算期に与えられた費用ガイダンスに照らし合わせ、それに応じて成長を減速しています」と述べた。