ゲイツは7月13日、一度の寄付額としては史上最大級となる200億ドル(約2兆2800億円)を、元妻のメリンダ・フレンチ・ゲイツと運営する慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」に寄付すると明らかにした。これにより、ゲイツの保有資産は200億ドル減少して1020億ドルとなり、15日時点の保有資産が1129億ドル(約15兆5000億円)のアダニがゲイツに代わり世界4位の富豪となった。
インドで6つの上場企業を保有する複合企業アダニ・グループの創業者兼会長のアダニは、電力、グリーンエネルギー、ガス、港湾などの分野で事業を展開している。
アダニは今年2月に同じインドの大富豪であるムケシュ・アンバニを抜いて、アジアで最も裕福な人物になった。当時の彼の保有資産は901億ドルで、世界では10位だった。
1988年に大学を中退して日用品の輸出会社を立ち上げたアダニは、2008年に資産93億ドルでフォーブスの世界長者番付に初登場していた。先日、60歳の誕生日を迎えたアダニとその家族は、6月に6000億ルピー(約77億ドル)を様々な社会活動に寄付すると宣言していた。
ゲイツは先日のフォーブスの取材に対し、パンデミックや景気後退、ウクライナでの戦争を原因とする世界の厳しい状況を受けてゲイツ財団を通じた寄付活動を強化すると語っていた。
マイクロソフトの共同創業者であるゲイツは、1995年に保有資産125億ドルで初めて世界トップの富豪の地位を獲得した。その後、2008年にウォーレン・バフェットが彼に代わってトップになるまで、ゲイツはその地位を守り続け、着実に富を増やしていった。その翌年の2009年にゲイツは首位を奪還したが、2010年から2013年まではメキシコのカルロス・スリムにその座を譲っていた。
2014年に保有資産760億ドルで首位に返り咲いたゲイツは、2018年にジェフ・ベゾスに抜かれるまでの間、世界一の富豪の座に君臨した。彼は2021年と2022年の世界の長者番付では4位にランクインしていた。