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2022.07.20

ウーバーが障害者の乗客の「待機料金」返金、司法省の訴えで

Getty Images

米司法省は7月18日、ウーバーが車に乗り込む際に2分以上かかる障害者の乗客に待機料金を請求し、米国障害者法(ADA)に違反しているとされた問題で、200万ドル以上を支払うと発表した。

司法省は11月、ウーバーが2016年以降に全米の複数の都市で、車に乗り込む際に2分以上を要する障害者から待機料金を徴収し始め、そのポリシーを修正しなかったとして提訴していた。

ウーバーは2年間の和解契約の一環として、障害のために車に乗りこむ追加の時間が必要だと証明できるすべての乗客とその同伴者の料金を免除することを約束した。

司法省は、ウーバーがさらに6万5000人以上の乗客に請求した待機料金の2倍以上の金額(数十万ドルから数百万ドル)を乗客のアカウントに返還すると推定している。

司法省の市民権担当検事補のクリステン・クラークは声明で、障害者は「障害を理由に二流市民のように感じさせられたり、罰せられたりしてはならない」と述べた。

ウーバーの広報担当のカリッサ・シモンズはフォーブスに対し、同社は「合意に満足している」と述べ、「障害を持つ乗客からの申し立てがあった場合、待機料金を返金することは以前から当社の方針だった」と付け加えた。

司法省によると、ウーバーはこの問題で223万ドル(約3億円)の支払いに同意したという。このうち173万8500ドルは、待機料金の問題を申し出た1000人以上の障害者の乗客への支払いで、50万ドルは司法省が特定した人物への支払いだという。

ウーバーは司法省が訴訟を起こした当初は、この訴訟に異議を唱え、フォーブスへの声明で、同社は障害者の乗客に対する待機料を「申し立てを受けた場合はいつでも返金している」と説明し、この料金が「指定されたピックアップ場所で準備ができているが車に乗るまでに時間がかかる乗客」に対するものでは決してないと主張していた。

ウーバーのシモンズはフォーブスに対し、車椅子に対応した車両や、追加の支援を提供するプログラムの「ウーバー・アシスト」を利用した乗車の場合は、デフォルトで待機時間が発生しないと述べた。シモンズはまた、2020年に乗客に請求された待機料金の平均が0.60ドル未満で、同社はアプリをより利用しやすくするために「製品の改良を行った」と付け加えた。

今回のと同様の訴えは以前にも起こされており、ニューオーリンズの住民が2017年に起こした訴訟では、ウーバーが車椅子で乗車可能な車両を提供しなかったことがADA違反だと主張された。ウーバーは、2021年4月には、盲導犬とともに乗車を拒否されたカリフォルニア州の目が不自由な人物に100万ドル以上の支払いを命じられていた。

編集=上田裕資

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