ビジネス

2022.07.19 09:00

アマゾンプライムデー期間中に就業中の社員が買い物できるのは会社が健全な証拠


自動化と人工知能(AI)を活用して企業の生産性を高めるソフトウェア企業Kizenの共同創業者兼CEOのジョン・ウィナーは「人類の歴史上、今は最も気が散る時代だ」と語る。「プライムデーであれ、携帯電話のさまざまな着信音、ブザー音、通知であれ、チームメンバーの気を散らすものがたくさんある」

アタミアンでさえオンラインで見つけたベビー用品をチェックすることがあると認め、忙しくて勤務時間中にプライムデーの買い物はできなかったが、例えばある会議から別の会議へと廊下を歩きながらこっそりとお買い得品を見ることもあるという。

企業が従業員の集中力を把握する方法は、生産性の低下が会社の収益に悪影響をおよぼす以上に従業員との関係を悪化させるかもしれない。キーストロークや検索履歴、マウスの動きを監視するといった独裁者的な取り組みは以前から激論を呼んでいるが、パンデミックでリモートワークが浸透するのにともない、さらに大きな問題に発展している。

「こうした企業の上から目線は社員が望んでいるものではない」とウィナーはいう。そして、このような時代遅れの管理スタイルは「本当に廃れ始めている」とも指摘する。

行動リスク管理プラットフォームClearForceの創業者兼CEOであるトム・ミラーは、多くの企業にとって監視は従業員がフィッシングメールをクリックしたり、職場のコンピュータシステムにウィルスを侵入させたりといったリスクを特定、管理、最小化するためのものだと話す。

「1日の大半をオンラインショッピングやスポーツ観戦に費やしているような従業員は、明らかに仕事に集中できていない」とミラーはいう。「組織内に強力なリーダーシップがあれば、従業員が十分な自由時間を持てるようにし、成果を上げる能力に悪影響を与えることなくアマゾンのプライムデーやバスケトーナメントのマーチマッドネスを楽しむような正しいワークライフバランスを見つけられるようにしているはずだ」

翻訳=溝口慈子

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