HIMSSのプレジデントでCEOのハル・ウールフは「パンデミックの初期には、データの相互運用性と定義がなく、情報を収集して交換する能力が限られていました、世界の医療システム全体がそのことを突如思い知らされたのです」と説明する。「今、私たちは公衆衛生に目を向け、何が起こっているのかを理解できるようにするためには、情報のトランザクション的な性質への注目が重要であることを認識するようになっています」 。
責任を担う
オランダの研究者たちは、物事を変えるには政府が主導権を握ることが不可欠だと主張している。現状、政府が望むことと実際に起きていることの間にはあまりにも大きな隔たりがあるからだ。彼らはこのギャップを埋め、デジタル化をサポートするためには、多角的なアプローチが不可欠だと考えている。
そうすることによってのみプライバシー、セキュリティ、包括性といった事柄に適切に対処することができると考えられているが、これらはAIのようなテクノロジーが影響を与えるためには明らかに重要なことだ。また、医療のデジタル化に伴う可能性だけでなく、そこに関わる権利についても国民に知らせるという意味でも有効だろう。
ウールフは「医療機関がイノベーションの実施にある程度のリソースを割けるようにすることが重要であり、それは2〜5%の間であるべきです」と続ける。「これは間違いなく多額の投資ですが、実施に必要な余裕を確保し、変化と革新の継続的な性質を考慮して、一定のペースを確立するためのものなのです」
オランダの研究者たちは政策、インフラ、資金、政府の力を組み合わせることで、ヘルスケアのデジタル化が可能になると考えており、テクノロジーを有効に活用することで、ヘルスケアの迅速化と効率化だけでなく、その継続性と質が維持されることを目指している。
「今回のパンデミックは、デジタルケアに向けた道のりの多くの障害が短期間で克服できることを示しました」と研究者は結論づけている。「しかし、いまだに多くのデジタルアプリケーションの導入が遅れています。デジタル化がヘルスケアに永続的な影響を与えるためには、文化の変革、デジタルリテラシーのトレーニング、良質で長期的な資金が必要です」