大阪10位 欧州6都市はなぜ「世界で最も住みやすい都市」なのか?

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世界172の都市の中から欧州の6都市が「世界で最も住みやすい都市」ランキングのトップ10を独占したのは「アートオブリビング(暮らし方)」ゆえだ。

トップはオーストリアの首都ウィーン人口約200万人の同都市は2018年、2019年も1位だった。

なぜウィーンなのか? 英新聞エコノミストの姉妹会社で毎年ランキングを作成しているエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の報告書は「安定性と良好なインフラがこの都市の住民にとって大きな魅力であり、良い医療が受けられ、文化や娯楽を楽しむ機会も豊富だ」と結論づけている。

米国の都市はトップ10にランクインせず、西欧の小さな都市が上位を占めた。デンマークの首都コペンハーゲン、スイスのチューリッヒジュネーブ、ドイツのフランクフルト、オランダのアムステルダム、そしてカナダのカルガリーバンクーバートロントだ。

また、大阪とオーストラリアのメルボルンも10位にランクインした。

ランキングの基準


EIUは172都市の生活環境を安定性、医療、文化・環境、教育、インフラの5つのカテゴリーに分類し、30以上の要素に基づいて評価している。

すべての住民が住まいを確保し、緑地へのアクセスがあり、そして豊富な公共スペースや効率的な公共交通システム、医療体制、その他の設備を利用できる包括的な機会があることが最も健康で暮らしやすい都市の指標となっている。

パンデミック後の世界


過去数年間、新型コロナウイルス感染症が大流行したが、2022年のランキングは各国政府が厳しい都市封鎖や規制を終わらせてコロナ前と同じようなライフスタイルが回復しつつある世界の変化を反映している。

文化・環境、医療、教育はパンデミックの影響を最も受けた分野の1つであり、この分野で他の国より優れている国もある。しかし、世界的に見ると、新型コロナの規制が解除・緩和された後、2021年のレポート以降では安定性に関するスコアは低下している。
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翻訳=溝口慈子

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