昨年4月に上場したコインベースの株価は、11月のピーク時に368ドルまで急騰したが、7月に入り50ドル付近で取引されている。
暗号通貨市場の急落により、コインベースの取引ボリュームは急減し、第2四半期の取引量は第1四半期から31%減少し、同社の収入源は大きな痛手を受けた。このため、DAデビッドソンのクリストファー・ブレンドラーは今後1年間のコインベース株の目標価格を135ドルから90ドルに引き下げたが、彼は市場の低迷が最終的にはコインベースのような資金力のあるプレーヤーに買収機会を与えると考えている。
「新たな市場では規制や金融制度に対処する必要があるが、彼らはそのプロセスをスムーズにし、迅速なスケールアップを実現するために、買収を行うことが理にかなっている」とブレンダーは述べた。コインベースは現在61億ドルの手元資金を確保しているが、収益の減少を乗り切るために、6月にはレイオフを実施し、従業員の18%を削減した。
さらに、同社は34億ドルの長期負債を抱えており、安定した収益性を示すには至っていない。同社にとっての懸念は、収益の9割が主力のトレーディング事業となっており、ボラティリティの激しい暗号通貨市場に左右されることだ。コインベースは、収益源の多様化に向けてNFTマーケットプレイスやステーキングビジネス、SECとの戦いの後に廃止されたレンディング事業も立ち上げていた。
「コインベースの収入の多くは、暗号通貨のトレーディングに直接関連するもので、それは直近で利益を上げることを困難にしているが、同社には多くの柔軟性がある。さらに同社には、素晴らしいフランチャイズとブランド力があり、たとえさらなる市場環境の悪化が起こった場合も、競合他社と同様の苦境には陥らず、その状況を乗り切れると確信している」とブレンダーは述べた。
しかし、コインベースはそのブランド力とトレーダーからの人気にもかかわらず、年初来で79%も株価を下げている。