ツイッターの株価は、マスクが9日にボットに関するデータの透明性の欠如を理由に買収契約を解除したことを受けて11%急落した。その後、12日にツイッターはマスクを相手取った訴訟を起こし、マスクが取引から手を引いたのは個人資産が減少したからだと非難した。
ヒンデンブルグは13日にツイッター株のロングポジションを取ったと述べ、ツイッターによる訴訟が マスクの帝国に対する確かな脅威となると警告した。この報道を受け、ツイッターの株価は約6%上昇した。
ヒンデンブルグは、5月には「マスクは今後のツイッターの命運を握っている」と述べ、ツイッター株のショートポジションを取り、彼が取引から手を引けば売値が下がるかもしれないと指摘していた。同社の創設者のネイト・アンダーソンは、フィナンシャル・タイムズの取材に、マスクは強迫的なツイートでレバレッジを浪費し、今回の訴訟でツイッターを有利にしていると語った。
2017年設立のヒンデンブルグは「正義の空売り屋」を自称し、上場企業の不正を投資家に警告することで知られており、2020年にはEVメーカー「ニコラ」が虚偽の事業見通しで投資家を欺いたと主張した。
しかし、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は同年の記事で、ヒンデンブルグが狙いを定めた企業の株価が下落することに賭けており、ショート取引で利益を得ていると指摘した。
フォーブスは世界一の富豪であるマスクの保有資産を2252億ドル(約31兆円)と試算している。ツイッターで約1億人のフォロワーを持つ彼は、ここ数カ月の間、ツイッターとのバトルを繰り広げてきた。
マスクは4月にツイッターの株式の9.2%を購入して取締役会の席を獲得した後に、同社を440億ドルで買収すると申し出た。しかし、7月8日になってマスクはツイッター側が、全ユーザーに占めるボットの割合が5%未満であることを証明するデータを開示していないと主張し、買収契約を撤回すると宣言した。
ツイッター側は、ボットに関するマスクの主張は、彼が取引から逃れるために用いた詭弁の一部だと反論している。