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2022.07.27

「三方よし」を実現する「ウェルビーイング・エコノミー」に企業はどう向き合うべきか

「Wellbeing SUMMIT 2022」を共催したのは、マーケティングコンサルティングのインテグレートだ。その理由とウェルビーイングビジネスの展望について、代表取締役CEOの藤田康人に聞いた。



「500兆円とも750兆円ともいわれる巨大なウェルビーイング産業は、欧米を中心にグローバルで急成長しています。ところが日本は、出遅れています。日本でウェルビーイングというと、いまだにスピリチュアルのイメージがある。心を整えて前向きに生きるとか、幸せになるといったことに対して積極的に行動を起こす人は、まだまだ少ないという現状があります」

インテグレート代表取締役CEOの藤田康人は、日本でウェルビーイングがなかなか浸透しない現状をこう指摘する。人々が幸せになるイメージをもてないと言うのだ。「日本でのウェルビーイングは、多くの人が国や社会から与えられるものととらえ、自分の幸せどころか生き方そのものを委ねてしまっています。自分で自分の幸せがなにか考えない人が多い。コロナ禍対策やスマートシティ構想もそうですが、国や自治体に頼りきっているため、個人に向けた新しいソリューションが生まれないのです」

こうした状況にもどかしさを覚えた藤田が趣旨に共感し、開催が実現したのが「Wellbeing SUMMIT 2022」だ。

「Forbesのように影響力があるメディアと組むことで、一人ひとりが自分の幸せについて考えるきっかけになったり、これからの新しいビジネスや産業発展も視野に入れたウェルビーイングを広めたいという思いがありました」

そして、臨んだイベントが終わったいま、藤田は確かな手応えを感じている。「ウェルビーイングは与えられるものではなく、自分事として主体的に考えるべきものです。ですので、個々人で求めるものが異なり、ニーズは多様化します。加えて、食や呼吸などあらゆる行為がウェルビーイングとつながります。Wellbeing SUMMITを通してそうした現状をご紹介することで、ウェルビーイングにかかっていた霧が少しは晴れたのではないでしょうか」

一方で、課題も感じたという。共通の理解やビジネススキームに落とし込めていないことだ。では、藤田が描く理想のウェルビーイングビジネスとはどのようなものなのだろうか。

「私が考えるのは、『三方よし』の精神です。SDGsにも通ずる部分が多くありますが、SDGsは、地球環境にやや偏重している傾向がある。確かに環境が悪くなったら人は生きていけませんし、環境を犠牲にして企業が成長することはありえません。しかし、環境を犠牲にしないだけで人は幸せになり、企業は成長することができるでしょうか。やはり最終的には、人々が主体的に幸せになることを目指すべきです」

顧客との関係をリデザインする


欧米では新たな経済の概念として、「ウェルビーイング・エコノミー」という考え方が登場している。藤田は今後、日本でも主流になっていくとみている。

「環境だけでなく、多様な個人個人が満たされた状態を維持しつつ、高い成長率だけを目指すのではなく、緩やかに成長できるような新しい経済や産業社会のあり方を考える。それが私なりのウェルビーイング・エコノミーのとらえ方です。今後こうした考えがトレンドになっていくはずです」

では企業は、それに対してどう向き合っていくべきなのだろうか。藤田は、マインドセットを変える必要があると提言する。

「生活者の価値観が多様化し、ニーズが個別化すると、従来の企業の考え方が通用しなくなります。どの企業も、もともとお客様を幸せにするためにプロダクトやサービスを開発していたはずが、効率化や成長を求めることで、いつの間にかお客様が置いてきぼりになってしまった。これからの時代は、企業と生活者の関係性をデザインし直す必要があります。企業はいままで以上に顧客目線をもち、顧客が望むニーズをバックキャスト(逆算)から考え、パーパスを再構築していかなければなりません」

藤田は、ウェルビーイングには企業の新たな成長戦略になるポテンシャルがあると強調する。

「ウェルビーイングを足がかりに、三方よしの視点でお客様との関係をリデザインできれば、無理に新規事業に取り組まなくても成長が可能になります。企業や研究者など、ウェルビーイングの理念に賛同する人が増えてくればその動きが加速し、企業の新たな成長戦略になるはず。ぜひそうしたムーブメントを起こしていきたいです」 



長年にわたりウェルビーイングを追求してきたインテグレート


インテグレートは、ウェルネスやヘルスケア領域を中心に事業を展開してきた統合型マーケティング企業だ。

代表取締役CEOの藤田は、1997年にキシリトールを日本にはじめて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛け、市場を創出した。以来、20年以上にわたりヘルスケア、食品・飲料のみならず、トイレタリーや自動車、空調など人々の生活を豊かにする商品の事業やマーケティングの戦略に携わってきた。そうした知見を生かし、2007年に仲間と立ち上げたのが同社だ。藤田がウェルビーイングに行きつくのは、必然だったと言えるだろう。

「カロリーゼロの炭酸飲料水をプロデュースしたことがありますが、その後、特保(特定保健用食品)の炭酸飲料水が登場し、やがて天然素材にこだわったクラフトドリンクへとシフトしていきました。主流がゼロカロリーから機能性に変わり、そして、昨今では、心のリラックスや社会との関係性、エコといった要素が求められるようになっています。それはまさにウェルビーイングへのシフトと言えます。ヘルスケアだけでは生活者のニーズに応えられなくなっているのです」

これとは打って変わり、藤田は美魔女コンテストをプロデュースしたこともある。

「彼女たちは、単に美しくなれる化粧品や痩せられるサプリメントを求めているわけではありません。女性として、人として、社会的に認められたいのです。その共感性を得るためにはストーリーが必要ですし、まさにウェルビーイング的な要素をコンテンツに入れていかなければならないということに早い段階で気がつき、実践してきました。その経験は現在に生きていると思います」

藤田が携わってきた仕事の多くが、ウェルビーイングとつながっていたのだ。

2025年には大阪万博が開催されるが、これにも同社がかかわる予定だ。この一大イベントをきっかけに、日本発のウェルビーイングが世界に広まることを藤田は期待している。

「日本には温泉があり、枯山水があり、瞑想があり、おいしい食もある。ウェルビーイングの要素をもったコンテンツがたくさんあるのです。日本の強さは世界に通じるものがあるので、万博が、自分らしい生き方や暮らし方を考えるきっかけになればいいと思っています。

私はこれまでに、さまざまな新しい価値観を創出してきました。ウェルビーイングもいくつかのピースがうまくかみ合えば、とてつもなく大きなムーブメントになる可能性があるのではないかと、期待しています」

インテグレート
https://www.itgr.co.jp/well-being/



藤田康人(ふじたやすと)◎インテグレート代表取締役CEO。味の素、ザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)を経て、2007年にインテグレートを設立し現職。

promoted by integrate | text by Fumihiko Ohashi | photographs by Shuji Goto | edit by Akio Takashiro

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