ビジネス

2022.07.16 13:30

G-Summit Japan2022開催 今、問われる「エンパシー(共感性)」とは?

Forbes JAPAN Web編集長 谷本有香(左)とジェネシスクラウドサービス日本法人/代表取締役社長のポール・伊藤・リッチー(右)


ジェネシスCSOピーター・グラフが考える「共感性」


谷本:日本では最近デジタル・トランスフォーメーションが進んでいくなかで、どのくらい従業員と顧客が関わって共感しあえるかが重要になってきています。ジェネシスにとって、これがどういう意味を持つのか、最高責任者としてのお考えを聞かせて下さい。
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ピーター:人間は、共感するという素晴らしい能力を持っています。特定の発言をすれば、何が起こるか認識したりして、行動前に考える事が出来ます。そして学習するのです。共感、傍聴、理解、行動、学習という能力は、人間の行動の本質です。

ジェネシスで取り組んでいる事は、それらをコード化して、ソフトウエアに取り組む事です。それにより、ダイナミックに体験を作り出す事が出来るのです。実際にはAIを使用しますが、実際にAIを使っている他の企業と根本的に異なります。

他の企業はパスワードの簡略化など体験の自動化にフォーカスしてAIを使用しますが、我々がフォーカスするAIの使い方は人間的な要素を取り入れることです。お客様は、「共感性のある最高の体験」をダイナミックに作り出してくれる会社に対応してもらいたいと思うはずです。それがポイントです。私達が行っているAIを用いてコード化しているのを「エクスペリエンス・オーケストレーション」と呼んでいますが、これこそが、イノベーションの鍵となり、「デジタル・エンパシー」なのです。
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ジェネシスCSOピーター・グラフ

谷本:
対応する全ての顧客に体験をオーケストレートするという事は、間違いなく日本市場に於いて、共鳴する事だと確信しています。日本では、素晴らしい顧客体験を提供するにあたり、「おもてなし」に価値を置いています。テクノロジーが急速に発展し、顧客接点がデジタル化されて顧客と企業とのコミュニケーションがさらに進化し、カスタマージャーニーの重要度が増しています。そのような中で、人々が現在、慣れ親しんでいるCX、顧客定見を変える為に、御社がどのように取り組んでいるのか?今後の指標を教えていただけますか。

ピーター:弊社のお客様にとって、「Experience as a Service」は、非常に興味深いコンセプトです。これは、弊社が市場をリードしている顧客エンゲージメントのテクノロジーに、新しいエクスペリエンス・オーケストレーションの機能を統合する事を意味しています。さらに我々は、エクスペリエンス・オーケストレーションとCRM、ERP、バンキング等、顧客のバックエンドシステムとも結びつこうと考えています。



また、導入も「音声チャネル」、「デジタル・チャネル」などお客様の顧客体験に沿ってスタートすることも可能です。さらに今年中には、従業員体験のソリューションからも導入開始できるようになります。そして、忘れてならないない要素の一つが「分析」です。

弊社は、Pointillistという素晴らしい企業を買収しました。この買収により、数百万もの体験を把握し、大規模に最適化する事が可能になります。これら全ての要素が「Experience as a Service」のフレームワークの中で統合されるのです。既に具体的なステップが進んでいるのですが、我々は2年間、「エクスペリエンス・オーケストレーション・プラットフォーム」の基盤構築に奔走し、中核を担う事に成功しました。
次ページ > 指揮者の役割を担う「オーケストレーション」

文=中村麻美

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