ピーター・ティールとウィンクルボス兄弟が支援する共和党候補

Getty Images / ブレーク・マスターズ

アリゾナ州では8月2日に連邦上院選挙の共和党予備選が開催されるが、この選挙でトランプ前大統領が支持を表明した投資家のブレーク・マスターズ(35)を支援する億万長者は、ピーター・ティールだけではない。ウィンクルボス兄弟もそれぞれ5万ドルずつを寄付しており、テキサス州の銀行家のアンドリュー・ビールも7万5000ドル(約1000万円)を投じている。

この金額は、ティールが2021年にマスターズに寄付した1000万ドルや、5月に追加したとされる350万ドルに比べれば、たいしたものではないが、それでもウィンクルボス兄弟とビールの寄付は、マスターズがかつての上司であるティール以外の億万長者の心を動かすことに成功したことを示している。

1986年生まれのマスターズはティールが2014年に出版した代表的著作の「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか」の共著者としても知られている。2010年にスタンフォード大学のロースクールでティールに出会った彼は、ティール財団(Thiel Foundation)のプレジデントとして、トランプの2016年の選挙活動を支援した。

4人の億万長者たちは全員、「セービング・アリゾナ(Saving Arizona)」と呼ばれる団体に寄付を行っている。この団体はスーパーPACとして運営されており、マスターズを支援する広告や彼の競争相手に反対する広告に資金提供を行える。選挙委員会に提出された最新の資料によると、セービング・アリゾナは3月の時点で1060万ドルを集めていた。

8月の選挙で、マスターズはアリゾナ州司法長官のマーク・ブルノビッチなどの他の共和党候補と対戦することになる。マスターズがこの予備選で勝利した場合、彼は現職の民主党のマーク・ケリー上院議員と対決することになる。元宇宙飛行士のケリーの妻のガブリエル・ギフォーズは2011年の銃撃事件で生き残ったことで有名だ。

FiveThirtyEightのデータによると、再選を目指すケリーは現在、マスターズやブルノビッチをリードしている。そんな中、テイールと彼の仲間の億万長者たちが今後どれほどの金額をキャンペーンに投じるかは、まだ分からない。

編集=上田裕資

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