暗号通貨が暴落しても「アート系NFT」は堅調、最新レポート

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ブロックチェーンの分析会社Nansenの最新レポートによると、暗号通貨市場が低迷する中でも、NFT市場には6月に買い手が戻ってきたという。これは、デジタルアートの所有が暗号通貨にはない高揚感を人々に与えていることを示している。

NansenのQ2(第2四半期)のレポートによると、イーサリアムブロックチェーン上のNFTの月間リピーター数(monthly returning buyers)は5月に3万5000人以下に落ち込んだ後、6月に4万5000人に跳ね上がっていた。Nansenはその背景にAirDropsと呼ばれる無料の配布イベントの増加を指摘した。AirDropsは、新規のコレクションが初期のユーザーを獲得するための方法として知られている。

Nansenは、イーサリアム上のNFTコレクションの動向を6つの指標で分析しており、それらは「NFT500」「ブルーチップ10」「ソーシャル100」「ゲーミング-50」「アート20」「メタバース20」と呼ばれている。

この中で、Q2に最も下落したのはゲーミングで、年初から59.6%の落ち込みだった。NFT500も、メンバーシップの減少が顕著で流動性要件を満たしたコレクションは310件にとどまった。

「背景には、買い手の関心がブルーチップと呼ばれる著名なNFTに集中したことがあげられる。このような動きは、参加者のリスクオフの姿勢を示している」と、NansenのアナリストのLouisa Choeは述べている。同社は、6月の上昇トレンドが持続しない可能性を指摘した。

Nansenは、以前のレポートで暗号通貨の値動きは、NFTよりも互いの相関関係が強いことを指摘していた。投資家は慎重な姿勢をとりつつもなぜ、NFTを買い求めているのだろうという疑問が浮かぶ。

「彼らのモチベーションは、オンライン上のアイデンティティやインクルージョン、連帯感といった社会的動機に支えられている」とChoeは述べ、この分野が市場のボラティリティの影響を受けにくいことを指摘した。
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編集=上田裕資

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