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2022.07.16 08:00

部下に子供を産ませたイーロン・マスクは「倫理違反」の可能性

Getty Images / イーロンマスク

テスラのCEOのイーロン・マスクは、部下と恋愛関係にあったことを事実上認めたが、過去には、同様の行為によって、少なくとも3名の大物CEOが退職に追い込まれている。専門家は、マスクがテスラ社内の行動規範に違反した可能性を指摘している。

ビジネスインサイダーが入手した裁判記録によると、マスクは昨年11月、シヴォン・ジリス(Shivon Zilis)との間に双子をもうけていた。ジリスは現在、マスクが2016年に共同創業した「ニューラリンク(Neuralink)」で、オペレーションと特別プロジェクトのディレクターを務めている。

彼女は、過去にテスラで2年間勤務したこともある。マスクは7月7日、ジリスとの関に双子が誕生したという報道を受け、「人口減少の危機を救うためにベストを尽くす」とツイートした。

2人の関係がいつ始まったかは不明だが、それがテスラに在職中の事だった場合、同社の倫理規定に著しく違反すると、イェール大学でリーダーシップを研究するジェフリー・ソネンフェルドは指摘する。

テスラの規定は、幹部と部下の恋愛を禁止していないが、親戚や配偶者、恋愛相手を監督するといった利益相反が生じる状況を避けるよう求めている。また、従業員がそのような状況に置かれた場合、利益相反が生じているかを確認するため、人事部に関係を開示するよう指示している。フォーブスは、マスクとジリスに対し、人事部に関係を通知したかをメールで尋ねたが、回答は得られていない。

ジリスがニューラリンクに移った後に関係が始まったとしても、同社の規定に違反する可能性があると、Employment Practicesで雇用問題を専門とする弁護士のJulie Mooreは指摘した。また、ニューラリンクにはマスクが従業員と関係を持つことを禁じる規定は存在しないものの、ソネンフェルドはマスクがジリスと恋愛関係に陥ったことが「経営者として誤った判断」だと述べている。

ジリスとマスクの関係が発覚したのは、マスクの異性関係に対する監視の目が厳しくなる中でのことだ。ビジネスインサイダーの最近の報道によると、2018年にスペースXはマスクからセクハラ行為を受けたと主張するプライベートジェットの客室乗務員に対し、25万ドルの和解金を支払っていたという。マスクは、この報道を「政治的動機に基づく扇動的な情報」と断じた。

雇用慣行の専門家は、上司と部下の社内恋愛は社内のモラルやプロフェッショナリズムに影響を与える可能性があるため、企業に対して社内規定の策定を推奨している。エグゼクティブ・コーチングを手掛けるChallenger, Gray & Christmasによると、同社が調査を行った企業の78%が、上司と部下の社内恋愛を禁止しているという。

この割合は、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインなどによるセクハラ疑惑が明るみに出た「#MeToo」運動をきっかけに高まっている。この運動以降、大手上場企業の著名CEOが社内規定に違反して部下と関係を持ち、大きな代償を払うケースが多発している。
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編集=上田裕資

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