LUUPを公共交通インフラに
──今後の目標は。
まずは全国にLUUPを普及させることです。道路交通法が改正され、政府による安全性の検証はひと段落ついたので、今後は改正道路交通法の施行に向けた新しい交通ルールの啓発と並行して、ニーズのある地方都市や観光地に一気に広げていこうと考えています。
その後、グローバルも視野に入れています。短距離移動のインフラは世界中で開発が進んでいるものの、先進国の都市部では「車両が道端に放置される」「街に台数が増えすぎる」などの課題も後を絶ちません。
その点、LUUPは車両が街に溢れない仕様にしつつ、街中に多くのポートを設置することで利用者にとってすぐに乗り降りできるようにしているので、安全性と利便性のバランスを追求できます。このノウハウをグローバルにも展開できるよう、プロダクト、ソフトウェア双方の改善を続けていくつもりです。
我々の事業は、100億円の売上をつくったり、上場したりしたからといって称えられるようなものではありません。電車やバス、タクシーなどと同じ「公共交通インフラ」のひとつとして認識されるようになってこそ人々に認められる事業なので、最終的にはそこを目指したいですね。
──個人的な夢はありますか。
私の人生のミッションは「人類の前進」で、それに寄与できる生き方をしていきたいと考えています。
日本人の寿命は80年〜100年とされ、僕の寿命は残り60年ほどと考えると、残された時間でいかに結果を出せるかが勝負です。
この「人類の前進」には、あらゆる人にぜひ協力してほしいと思っています。同じ時代を生きる者として、誰しもが同じ船に乗っているわけですから。人類の前進につながるものをつくれば、同じ時代を生きている人々の幸福度が上がり、子孫も恩恵を享受できます。
冒頭の話にもつながりますが、たとえ5歳でも10歳でも、30歳でも40歳でも、同じ時代を生きている人はみな「同志」です。同じ船に乗っている以上、互いに揉めるなんてナンセンス。協力して前進していきたいです。