マイクロプロセッサのなかでもとくに有名なのが、コンピュータ用のCPU(MPU)ですが、そのほかにもデジタル信号処理に特化したDSPや、グラフィック計算向けのGPU、CPUの周辺回路もまとめたSoCなど多岐に渡ります。
マイクロプロセッサ誕生以前、コンピュータはいくつもの回路基板をもつ巨大な装置でした。それがマイクロプロセッサの導入によって、大幅な小型化を実現することができたのです。
マイクロプロセッサはコンピュータだけでなく、スマートフォンをはじめとしたあらゆる電子機器の要として、私たちの生活に必要不可欠なものとなっています。
1970年代前半は、前述の4004以外にも複数のマイクロプロセッサが開発されていた時期。インテル4004のキーマンとなったのは、嶋正利という日本人でした。
嶋は東北大学理学部化学第二学科を卒業後、ビジコン社に入社し、プログラム制御方式の電卓開発に携わります。当時設立1年目の小さい会社だったインテルとの提携を決め、ビジコンはインテルと共同で電卓の中央制御装置の開発を進めます。そして新たな集積方法を開発し、完成したのが4004です。
嶋はその後インテル社に転職し、8ビットマイクロプロセッサの「8080」を開発。さらにインテル社からスピンアウトしたザイログ社で、8ビットマイクロプロセッサのベストセラー「Z80」も手がけた。「Z80」は1980年前後のホビー向けコンピューターの多くに搭載され、パーソナルコンピューターの製造、普及へ大きく尽力したのでした。
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