「自然が豊かなイメージはあるけど、どんな国なのか詳しく知らない」という方が多いと思う。
実は、ニュージーランドは環境やジェンダー、働き方など、多くの分野で世界をリードする国なのだ。
今回はその先進的な取り組みと特徴を見ていこう。
世界で初めて8時間労働を採用
今でこそ多くの国で当たり前になっている「1日8時間労働」だが、実はニュージーランドが発祥とされている。
1840年、大工のサミュエル・パーネルが「8時間以上は働かない」と主張したことがきっかけとなり、初期のウェリントンコミュニティーで世界で初めて採用されたのだ。
また、1894年に「最低賃金」を世界で初めて定めた国でもある。
日本で最低賃金が導入されたのは1959年なので、いかに早いかがわかる。
食料自給率300%!?
ニュージーランドの食料自給率は、大麦や小麦等の穀物が250%、野菜・果物類が約203%、肉類が約335%、魚介類は約625%にも上る。
ここまで高い数字を実現できるのは、人口が約500万人と少ないことに加えて、世界有数の農業大国だから。
ビニールハウスでの生産は少なく、旬のものを食べる文化が根付いている。
世界で最も空気がきれい
ニュージーランドは自然が豊かで、世界トップクラスに空気がきれいといわれている。
2018年にWHOが発表した世界各国の都市部のPM2.5年間平均濃度ランキングによると、調査対象となった194カ国のうち、ニュージーランドはPM2.5の濃度が最も少ない国だった。
大気汚染が少なく乾燥しているテカポ湖は、世界一美しい星空が見られると人気を博している。
世界トップクラスのジェンダー平等
ニュージーランドは2021年のジェンダーギャップ指数で4位に選ばれており、ジェンダー平等でも世界をリードしている。
2017年、ジャシンダ・アーダーンさんが37歳の若さでニュージーランド史上3人目となる女性首相に就任。数カ月後に妊娠を公表し、現職の首相として世界で初めて産休を取得した。
復職後は国連総会に子連れで出席するなど、仕事と子育てを両立させていて、世界中から注目を集めている。