チップセットはクアルコムがモバイルのハイエンド端末向けとして提供する「Snapdragon 778G Plus」を搭載。5Gや高速充電、ワイヤレス充電などをサポートする。バッテリースペックはフル充電から約18時間の連続駆動に対応する。
テスラにも広がるNothing OSのエコシステム
独自のOSであるNothing OSは、デザインに基づいたシンプルなユーザー体験を提供することを目的にカスタマイズされたOSなので、おそらくはベースとするAndroid OSに対応するアプリやゲーム等をGoogle Playストアから入手して楽しめるようになるだろう。カスタムOSの互換性におけるノウハウは、先に「ColorOS」を展開するOPPOにより培われていると見ていい。
ペイ氏はNothing OSのユーザー体験をさらに豊かなものにするため、スマートフォンを中核とするさまざまなスマートデバイスとの連携拡大にも力を入れると述べた。先行して発売されたワイヤレスイヤフォンであるear (1)とのワンタッチペアリング機能はその先駆けだ。端末の発売後はテスラのEVと連携して、スマホからドアのロック解除、エアコンの操作、ヘッドライトを点滅させてクルマを探す遠隔操作機能などが使えるようになる。同機能がPhone (1)の発売後すぐ日本でも提供されるのか現時点ではわからない。
iPhoneなどライバルとの競争に勝つ要素とは
7月にアップルがiPhoneを含む自社製品の値上げを発表したことで、スマートフォンユーザーの関心は安価なミドルレンジクラスの良質な端末に向き始めた。NothingのPhone (1)は独創的なデザインや光のギミックに加えて、シンプルな操作性と比較的手頃な価格においても十分に魅力的だ。
カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色
日本は諸外国に比べて特にiPhoneユーザーが多い国だといわれている。iPhoneは端末の世代が異なっていてもiOSによる体験が共通であることから、話題のアプリや機能を仲間とシェアしたり、初めてスマートフォンを手にする家族に操作を教える時にも都合が良い。
日本の場合、充実したアフターサービスを用意する通信キャリアから端末を買い求めるユーザーも多いことから、おそらくはSIMフリーの形態で販売されるPhone (1)は、当初デジタルガジェットの使いこなしに長けたギークなファンの端末になるだろう。
また発売後も価格のメリットだけでシェアを拡大することは困難だ。先行するライバルと肩を並べるためには、Nothing OSのエコシステムに賛同するパートナーを広げて、独自に魅力ある世界観をつくることがライバルとの競争を勝ち抜くためにも欠かせない。
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