ロゲルは一方で、メンタリングの失敗例が多いことも認めている。「メンタリングの実践は非常に簡単だが、多くの場合、簡単に避けることができるミスを犯したがために、時間が経つにつれて失敗する」
こうしたミスには、しっかりとした枠組みがない、最終目標やマイルストーンを設定していない、参加者向けのガイドラインがない、メンティーにとって挑戦的な内容でない、メンターでなく友人や仲間になってしまう、などが挙げられる。
メンタリングにはメリットがあるにもかかわらず、従業員の大多数には正式なメンターが付いておらず、改善の大きな余地があるとロゲルは指摘する。
「メンタリングを受けた人は、受けていない人よりも自分がより高く評価されていると感じられる。組織として正式なメンタリング制度を作ることで、現社員や、今後入社する可能性がある人に対して、自社が従業員の職業上、そして個人としての長期的成長を真剣に考えていることを示せる」