大統領を「大いに信頼している」「かなり信頼している」と回答した人は23%で、2021年から15ポイント低下した。この結果は、ジョー・バイデン大統領の支持率低下を反映している。
最高裁に対する信頼も、25%という記録的な低さとなった。この調査が実施されたのは6月1日から20日までの期間であり、中絶を権利として認めてきた「ロー対ウェイド判決」を最高裁が覆す意向であることを示す多数派意見の草案がリークされ、米政治専門サイト「ポリティコ」によって報じられた後のことだった。
今回の調査は、ギャラップが1993年から毎年集計している、米国の主要14組織に対する米国人の信頼度に焦点を当てている。さらに、年次調査に随時追加している、2組織(小規模企業と大規模テック系企業のグループ)に対する信頼度も調査された。
この調査によれば、調査対象になった合計16組織のうち、11組織に対する信頼度が、2021年から2022年のあいだに大きく低下したことがわかった。これには、刑事司法組織、警察、医療機関、公立学校も含まれる。
全16組織のうち、最も信頼度が低かったのは連邦議会で、「大いに信頼している」または「かなり信頼している」と答えた人はわずか7%だった。これも記録的な低さだ。
最も信頼度が高かったのは小規模企業、軍、警察だが、いずれも2022年には2021年と比べて信頼度が低下していた。
新聞、大企業、テレビニュースを含めた、すべてのカテゴリーの信頼度が低下しており、例外は組合労働者で、2022年の信頼度は、2021年と変わらず28%だった。
信頼度の低下には、支持政党の違いも反映されている。すべての組織に対する信頼度の平均は、共和党支持者のあいだでは4ポイント、民主党支持者では5ポイント、無党派層では6ポイント低下した。民主党支持者と無党派層は、共和党支持者に比べて、最高裁への信頼を失う傾向が強かった。それに対して共和党支持者では、他の層に比べて銀行に対する信頼低下が目立った。
近年見られる、主要組織に対する米国人の信頼低下は、イラク戦争、グレート・リセッション(2008年のリーマン・ショックに端を発した景気後退)、党派対立による議会の停滞、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)など、多くの要因によって助長されているとギャラップは説明している。
米国の主要組織に対する平均信頼度は、1998年から2004年までは最低でも40%だったが、それ以降、低下を続けている。最新調査における主要組織に対する信頼度は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによりロックダウンが行われ、米国の人々が先行きの見えない状況に置かれた2020年と比べても9ポイント低い。
この調査の2カ月前には、インフレ率の上昇とロシアのウクライナ侵攻があいまって、バイデン大統領の支持率が最低を記録した。最近の他の調査でも、米国人が国の現状に不満を持っていることが示されている。AP通信・公共問題調査センター(NORC)が6月29日に発表した調査では、米国人の85%は、米国が悪いほうへ向かっていると考えていることが明らかになっている。