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2022.07.13 08:30

革新的方法で、見た目の悪い果物のフードロスを防ぐ新ブランド

Getty Images

ドライフルーツの新ブランド「RIND」は、「見た目が悪い果物」を、革新的な方法で生まれ変わらせて「アップサイクル」した商品だ。食用としてまったく問題がないものの、食料品店で販売するには見た目が悪いとされる果物が原料となっている。

見た目の悪い果物は、ジュースやソース、ジャムに加工されるのが一般的だ。しかし、大きすぎ、小さすぎ、形や色が悪いなど、「見かけ」を理由に農作物を排除するこうした食糧システムについては、もったいないという批判の声も上がっている。

ただし、こうした見た目の悪い果物や野菜を小売店まで配送したとしても、これらが最終的に食べられることなく無駄になるのであれば、コストとリソースを負担するのは非合理的だ。それよりも、ジュースやソースといった「サイドストリーム(支流)」に送って、いくらかの収入を得るほうが合理的であり、そうしたやり方は実際に、食品加工業界全体にとって重要になりうる。ただし残念ながら、ジュースなどでは安価な輸入品が入ってくるため、国内製品は売れないことになりがちだ。

そこでRINDは、見た目の悪い「サイドストリーム」の果物の価値を高めようと、これらの果物をスライスして乾燥させ、非常に健康的で、持ち運びができ、常備しておけるドライフルーツにして消費者に届けている。RINDならではの特徴は、意図的に果皮を残しているところだ。果物の皮は健康によいことが分かっている。果皮は、ビタミンやミネラル、健康増進に役立つ抗酸化物質が豊富なのだ。

果物の皮を食べるなんてと、違和感を覚える人もいるかもしれない。しかし、一度食べてみれば嬉しい驚きがあるだろう。研究によれば、米国人のうち、果物と野菜の1日あたりの推奨量を摂取している人はわずか1割だ。ということで、RINDの商品がそうした不足分を補えるのなら、大変好ましい流れとなる。また、果皮をそのまま使うことで、RINDは食品廃棄物の減少にも貢献している。

RINDは、果物の包装会社や加工業者と契約を結び、果物をスライスして乾燥させ、そのまま食べることができて日持ちもする間食用ドライフルーツとして商品化している。オレンジ、ミカン、リンゴ、ナシ、キウイ、イチゴ、バナナ、ココナッツ、スイカ、メロン、モモ、カキ、パイナップルなどが対象だ。

完成するまでに、3段階の洗浄とスライス、その後、「低温・長時間」加熱という独自の方法による乾燥というプロセスを経る。この方法が、果物の栄養素を最大限に活かしつつ、好ましい食感に仕上げてくれるのだ。変色を防ぐための安定剤(亜硫酸塩剤)が不要なので、味もよく、そのような安定剤にひどい副反応を示す人たちにとってもありがたい。
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翻訳=ガリレオ

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