東日本大震災が起きた年でもあり、この優勝は日本を勇気づける明るいニュースとして大きな話題となりました。同時に、代表メンバーのなかにもアルバイトで生計を立てている選手がいるなど、女子サッカー選手たちが置かれている厳しい環境についても取りざたされました。
当時の報道によると、サッカーだけで生活が成り立つ選手はなでしこリーグ中で約1割、多くの選手が生活のために昼間は仕事をして夕方から練習をしていたといいます。プロ契約していてこの年FIFA女子年間最優秀選手賞を受賞することになる澤穂希でも、ユニフォームを自宅で洗濯していたのだとか。
あれから約10年が経った2021年9月、日本初の女子プロサッカーリーグであるWEリーグが開幕しました。WEリーグに参加する11チームには、プロ契約選手を1チームにつき15人以上擁すことが求められます。プロ契約選手への最低年俸は270万円。額だけを見ると高くはないですが、他の仕事につかずにサッカーに専念できる環境になったこと、「プロサッカー選手」だと堂々と名乗れるようになったことを喜んでいる選手が多いそうです。
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