ビジネス

2022.07.13 09:00

スマートバンクで20億円調達 「連続起業家」堀井翔太が描く家計簿プリカの勝算

スマートバンクCEO 堀井翔太(撮影=曽川拓哉)


この高いハードルを乗り越えてスタートしたB/43だったが、決済サービスの大手事業者たちとは、どう差別化を図っているのか。その答えが、事業の主軸に据え、いま最も注力している「B/43ペアカード」にある。
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大手にはニッチな領域


夫婦や同棲しているカップルの多くは、家賃や食費など生活費の支払いに、クレジットカードの家族カードを利用したり、共同での引き落とし専用の銀行口座を開設したりしている。しかしカードは、後払いなので家計管理がしづらく、銀行口座は、残高や引き落とし履歴が開設名義人しか確認ができないなど、共同ゆえの課題が存在する。

B/43ペアカードは、カップルの2人に1枚ずつカードを発行。共同の口座がつくられ、決済が行われると、共通のペアアカウントに支払い場所と金額の通知が届くという仕組みだ。もちろん、こうしたシステムを提供できるのも資金移動業免許あってのことだ。

「◯◯Payと名のつく事業者は、みな決済サービスの利用者数や利用額で1番になることを目指しています。なので、ペアカードのようなニッチな領域には攻めてこないのではないかと考えています」
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取材に答える堀井翔太

サービス開始から約1年。すでにGMV(流通取引総額)は億を超えている。今回の調達に関しても、これらの実績が投資の決め手になったと堀井は語る。

「直近6カ月のGMVの月次成長率は30%を超えています。良いペースでトラクション(ビジネスとしての推進力)が伸びていることを提示できたことは、評価のポイントの1つになっています。さらにB/43ペアカードでは、3カ月利用されるとそれ以降ほとんど解約が発生しません。

プロダクトマーケットフィット(PMF=顧客が満足する商品を最適に提供している状態)ができていることも投資家の目を引いた部分ではないかと思います」

資金はマーケティングに投入


連続起業家としては順調な滑り出しにも見えるが、堀井に「油断」はない。
次ページ > 「発明をしても、いずれ代替可能なサービスになる」

文=露原直人 撮影=曽川拓哉

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