経済・社会

2022.07.18 16:00

米与党が受け継ぐ中間選挙「敗北の歴史」 勝てない原因は未特定

Getty Images

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米世論調査会社ギャラップが6月に実施した調査によると、今年11月に行われる中間選挙に対する有権者の関心は、この時期としては異例の高さになっているという。ただ、それが実際に与党の議席にどのような影響を及ぼすかについては、まだ分からない。

大統領の所属政党であり、連邦議会の上下両院で現在、優勢となっている与党・民主党は今年の中間選挙で、厳しい戦いを強いられると予想されている。中絶権、銃規制法、環境規制などで巻き返しに出ている保守派の野党・共和党が、左派(リベラル)の有権者たちの選挙に対する熱意を高めることにはなるかもしれない。だが、民主党が立ち向かうのは、歴史的に繰り返されてきた「先例」だ。

大統領の任期2年目に行われる中間選挙で、その所属政党が有権者の大半の支持を得たことは、ほとんどない。1962年以降に行われた中間による連邦議会の上下両院の議席の変化は、以下のとおりだ。

選挙の年 大統領(所属政党) 選挙による与党議席数の増減 下院 上院

1962年 ジョン・F・ケネディ(民主党) -4 +3
1966年 リンドン・B・ジョンソン(民主党) -47 -4
1970年 リチャード・ニクソン(共和党) -12 +2
1974年 ジェラルド・フォード(共和党) -48 -5
1978年 ジミー・カーター(民主党) -15 -3
1982年 ロナルド・レーガン(共和党) -26 +1
1986年 ロナルド・レーガン(共和党) -5 -8
1990年 ジョージ・ブッシュ(共和党) -8 -1
1994年 ビル・クリントン(民主党) -52 -8
1998年 ビル・クリントン(民主党) +5 0
2002年 ジョージ・W・ブッシュ(共和党) +8 +2
2006年 ジョージ・W・ブッシュ(共和党) -30 -6
2010年 バラク・オバマ(民主党) -63 -6
2014年 バラク・オバマ(民主党) -13 -9
2018年 ドナルド・トランプ(共和党) -40 +2
2022年 ジョー・バイデン(民主党) - -
Source: The American Presidency Project

超党派の非営利団体The American Presidency Projectのデータが示すのは、上記の間に行われた中間選挙で、与党が上下両院で党勢を拡大させた、または少なくとも縮小させなかったのは、2期目のクリントン政権と、1期目のジョージ・W・ブッシュ政権だけだ。
現職の大統領に完全に有利な結果をもたらした中間選挙は、9.11同時多発テロ事件からわずか1年ほどしかたっていないタイミングで実施された、ブッシュ政権のときのみとなっている。
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編集=木内涼子

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