「危機コミュニケーションにおいて、戦略よりも戦術を優先させることは、常に敗北の前の雑音だ。これほどにお粗末な首相のPRは見たことがない」とライリーは結論づけた。
人とメッセージの重要性
「ジョンソン首相が学んだ主な教訓は、自分を取り巻く人と同程度強いだけということと、一貫したメッセージが重要だということだ」と、米PRエージェントのオッター・パブリック・リレーションズの広報担当ジョシュ・ウィルソンは電子メールで述べた。
「最も親しいアドバイザーでさえ、もはや自分とは関わりたくないと思ったとき、自分は間違ったことをしていないと主張し続けるのは難しい。危機コミュニケーションでは、リーダーやそのチームが具体的なメッセージや戦略を1つつくり、それを貫くことも非常に重要だ。ジョンソン首相の場合、彼は閣僚の何人かとしばしば異なる論点を持っていた。これは、国民の注目を集め、信頼を失う最も早い方法だ」とウィルソンは話した。
適切なアドバイスを受ける
米PR会社Bevel PRのシニアディレクターであるネカ・エトニルは、「残念ながら、ジョンソン首相のチームは判断の誤りを認め、是正のためのロードマップを示すことによって事態を迅速にコントロールするのではなく、何度もあった信念を示す機会でことごとくはぐらかした」と電子メールで述べた。
「ジョンソン首相の危機は、逆境を切り抜け、最終的にはリーダーが社会的信頼を維持するために、適切な助言者を持つことの重要性を示している」とエトニルは指摘した。
去るべきタイミングを知る
「リーダーは、自らが代表を務める組織のために、いつ身を引くべきかを知っておくべきだ。顧客、役員、有権者などからの支持を得られない無能なリーダーは、良いパフォーマンスを発揮できず、組織を傷つけるだけだ」と、米広報会社DJC Communicationsの社長兼オーナーのデブラ・カルーソはアドバイスする。
「ボリス・ジョンソンにとって、その組織は世界の強国であり、最大かつ最も影響力のある国の1つだった。在任期間中、最後の数カ月は英国にとって失われた時間を意味し、茶番だ」とカルーソは述べた。