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2022.07.12 06:00

欧州の「15分デリバリー」を襲う不況の嵐、大手Gorillasが人員削減

Getty Images

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欧州のフードデリバリー業界は、激動の時代を迎えている。先日はベルリンに本拠を置くGorillasが、レイオフと給与をめぐる従業員からの不満に直面した。

同社は都市部のフルフィルメントセンターから、顧客の家に15分以内にデリバリーを行うサービスで、10億ドルを超える評価額を獲得したが、ここ最近は苦境にあえいでいる。

欧州のスタートアップ系メディアのSiftedは7月5日、Gorillasが所有するライダーのプラットフォームであるStreet Fleetが、100人以上のライダーを解雇したと報じた。このプラットフォームはGorillasや、Gorillasの株主であるデリバリーヒーローなどの企業にライダーを提供している。

Street Fleetはここ数週間、賃金の未払いをめぐる批判にも直面していた。Gorillasの広報担当者は、「この問題はすでに解決済みだ」と述べ、Street Fleetの従業員の何名かが現在は、Gorillaに雇用されていると回答した。しかし、具体的な人数については明らかにしていない。

この動きは、2020年に大規模な資金調達を行ったGorillasが新たなフェーズに入ったことを示している。

Gorillasは創業からごく短期間でいわゆるユニコーンになり、10億ドル(約1360億円)の評価額を達成した。欧州では同社を含む複数のフードデリバリー企業が、15分以内の宅配を実現するためのフリートと倉庫のネットワークを運営し、コロナ禍の中で事業を急成長させてきた。

しかし、今、この業界は大きく様変わりしている。Gorillasは5月下旬にレイオフを発表し、黒字化に向けていくつかの市場から撤退することを明らかにした。同社は、ドイツやフランス、オランダ、英国、アメリカなどでは、まだオペレーションを続けている。

競合のGetirとZappも同様の道を歩み、それぞれ従業員の約14%と10%を解雇した。また、Jokrはヨーロッパでの事業を完全に停止し、イギリスの新興企業のDijaはGopuffに買収された。

インフレによる家計費の圧迫と支出の減少を受けて、この分野の企業はより厳しい経済環境に備えようとしている。多くのスタートアップにとっての大きな試練は、1年前と比較して投資家がより慎重な姿勢を示す中で、事業維持のための追加の資金を調達することになりそうだ。

編集=上田裕資

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