ビジネス

2022.07.11 15:00

セコイア出資のGatherの苦境で見えた「メタバース企業」の危うさ

Getty Images


ギャザーの運営を知る2人の人物によると、一部の社員は、このような会社の再編成を意識していなかったという。レイオフは複数の部門にまたがって行われ、リモートワークの機能に直接関連する仕事に従事するメンバーも含まれていたという。しかし、「解雇された30人のうちの圧倒的多数は、リモートワークに関連する業務に従事していなかった」と、ワンはフォーブスへのEメールで回答した。
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「RPGテイストのメタバース」として躍進


2020年に大学を卒業したばかりの4人によって設立されたギャザーは、未来的なメタバースに即座にアクセスできるプラットフォームであると自称している。レトロなポケモンゲームを彷彿とさせるピクセルアートを特徴とするギャザーは、ユーザーたちに仮想世界でのミーティングや偶然の出会いを提供する。

フォーブスは2月にギャザーの特集記事を掲載したが、その取材でワンは、1500万人以上が少なくとも一度は同社のソフトウェアを利用し、そのうち10万人は実際のオフィススペースの代わりとして定期的に利用していると述べていた。同社は2021年に約1000万ドルの収益を上げたとフォーブスは推定している。

ギャザーはセコイアやインデックス、Yコンビネータから総額7700万ドルを調達している。
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ギャザーに投資したFigmaの共同創業者でCEOのディラン・フィールドは2月のフォーブスの取材に、「彼らはチームや企業カルチャーの構築という点で、我々が5年をかけてやったことを6カ月で成し遂げた」と語っていた。

しかし、このような楽観的な見通しは、市場の大きな変化に耐えることができなかった。ギャザーは、資金が枯渇する前に調達を行ったにもかかわらず、会社のメンバーの多くはその調達からわずか6カ月後に解雇を言い渡されたのだ。

編集=上田裕資

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