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2022.07.11 15:00

セコイア出資のGatherの苦境で見えた「メタバース企業」の危うさ

Getty Images

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6月2日、メタバース空間のオフィススペース「ギャザー(Gather)」の社員ら約30人が、突然姿を消した。一部の人々は、それがソフトウエアの不具合だと考えていた。

しかし、2年前に設立されたギャザーで起こった粛清が、現実世界でのレイオフの結果であることを、彼らはすぐに理解した。フォーブスが入手したメモによると、同社の共同創業者でCEOのフィリップ・ワン(Phillip Wang)は、社内向けのEメールで、90人の従業員の「3分の1近く」が解雇されると書いていた。

この件に詳しい3人の関係者によると、レイオフは従業員にとって驚きだったようだ。ギャザーは11月に、セコイア・キャピタルとインデックス・ベンチャーズが主導する資金調達ラウンドで5000万ドル(約68億円)を調達し、評価額は7億ドルとされていた。レイオフのわずか3週間前にシカゴで行われたオフサイトミーティングで、ギャザーの幹部は、3年から4年のランウェイ(その間に経営を維持できるだけの手元資金)を確保しており、雇用を継続すると従業員に伝えたと3人は述べている。

他のスタートアップが資金調達に苦労している今、同社には嵐を乗り切るのに十分な資金があると思われていた。

しかし、ギャザーのCEOであるワンは、フォーブスへのメールで、オフサイトミーティングに関する主張に反論した。「あのミーティングの全体的なテーマは変化であり、我々はより集中した戦略を採用する必要があると説明した。多くの従業員が、後の人員削減を予見していた」と彼は述べている。ワンは、会社が黒字になるまでの間は、次の資金調達を控えるかもしれないとも述べている。

ワンはまた、別のフォーブスのインタビューで、ヴァーチャルイベントの開催よりも最も人気の高いユースケースであるリモートワークのための製品開発に集中するようピボットを行ったと述べており、6月のレイオフの際にも同じ説明を行ったと主張している。

「ロックダウンの間に、当社はメタバースの未来に何百ものユースケースがあることを確認したが、現在の市場の環境下では、我々は次のチャプターに向けて集中する必要がある」と、ワンはレイオフしたスタッフ宛てのEメールで述べた。
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編集=上田裕資

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