連鎖倒産の先に見える希望
そんな中、数多くのクリプト関連の企業が崩壊に直面している。6月27日にボイジャーは、6億7500万ドルの支払いを怠ったとして、シンガポールに拠点を置く暗号ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)にデフォルト通知を発行した。
3ACは一時、約30億ドルを運用していたが、シンガポールの金融当局は先月末、同社が虚偽の申告を行ない、実際は2億5000万ドルまでしか運用する権限がなかったとして、同社を非難した。これを受けて、3ACは破産を申請し、ボイジャーも7月5日にチャプター11に基づく破産を申請した。提出書類によると、ボイジャーの負債総額は推定10億ドル~100億ドルとされている。
一方で、VauldとCelsiusも会社の再構築を検討中と発表した。
そんな中、いくつかの企業は、資金の豊富な大手による救済を選んでいる。30歳のビリオネアのサム・バンクマン=フリードが運営する取引所のFTXは7月1日、同様な苦境にあるレンディング大手のBlockFiを最大2億4000万ドルで購入する契約を締結したと報じられた。
ゴールドマン・サックスも、Celsiusの救済のために20億ドルの資金調達を検討中と伝えられており、他の大手の金融大手も関心を示している模様だ。
そんな中、今年4月に確定拠出型年金401(k)プランに暗号通貨投資のオプションを追加すると発表した金融大手のフィデリティのアビー・ジョンソンCEOは、先月、今回のクリプトの冬について聞かれ、「私は、長期的視野でこの分野のファンダメンタルズが本当に強力だと信じており、他の誰もが弱気になっている今こそ、倍賭けするチャンスだと考えている」と述べた。
投資会社Wave Financialのペルッチョは、ジョンソンの発言が「本当に励みになる」と述べている。「金融業界の大手が、今が買い場だと考えていることは、彼らがこの先、市場が活況を取り戻すと強く信じていることを意味している」と彼は語った。