ライフスタイル

2022.07.10 16:00

デザインするもの、つくるものすべてに理由がある。エルメスのレガシー


森岡:シーズンごとに替わっていくような流行の服を否定するものではありませんが、「エルメス」の服やアイテムはずっと長く愛用できるものが本当に多い。着回しもできる。そうしたコレクションの成り立ち、メゾンの立ち位置に時代が追いついたのでは。
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小暮:それに「エルメス」というメゾンは自分たちの“レガシー”を熟知している。

森岡:はい、それは私も断言できますね。

小暮:「エルメス」は、もともと馬具の製作からスタートしたメゾンですからね。デザインする際にいちばんに考えるのは「素材」や「品質」と「機能性」だと思います。加えてどの商品にも「職人技」が込められている。
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森岡:どうですか、このパナマハット、ブリム(つば)が素晴らしいでしょう。とても凝ったデザインです。

小暮:本当ですね。職人の手作業によるものでしょう。でもこれを自分で編めと言われたら、私には絶対できない。泣きます!

これをプレタポルテ=既製品でつくってしまうところが「エルメス」のレガシー。

森岡:デザインするもの、つくるものすべてに理由がある。それが「エルメス」です。

小暮:しかもそれを喧伝することもない。「エルメス」にとって当たり前のことだから。

森岡:「エルメス」のスカーフを集めている人って多いですよね。実は私、最近「エルメス」のヴィンテージのネクタイにハマっています。ついつい買ってしまうのです。

小暮:さすがスタイリスト。

森岡:スカーフ柄などもあって洒落ているんですよ。クオリティは完璧ですからね、すぐに現役で使えます。

小暮:それはいいことを聞いた。私も早速、クロゼットを探してみます(笑)。

森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

文=小暮昌弘

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