この疑問に対して、「常に役立つ情報を提供することだ」と答えるのが、『Sell With Authority』(『権威ある営業術』、未邦訳)の共著者、スティーブン・ウォスナー(Stephen Woessner)だ。
ウォスナーはさらに、役に立つアドバイスをクライアント候補に伝えるためには、リサーチが不可欠だと強調した。
しかし、具体的にはどこで、どれほどしっかりと、自分が権威ある存在だとアピールする「フラグ」を立てるのが効果的なのだろうか? そこで、2022年5月にシカゴで開催された「ベター・エージェンシー・サミット」の際に筆者はウォスナーに時間をとってもらい、権威ある営業とはどういうものなのか、本人から見解を聞いた。
ウォスナーは、プレディクティブROI(Predictive ROI)という企業を率いている。25年以上にわたってマーケティング代理店や戦略コンサルタント、ビジネスコーチらと提携しながら、それぞれにぴったりのクライアントを途切れることなく紹介してきた。そのウォスナーが推進するのが、「礎となるコンテンツ」を作り、容易に真似のできない深い知識や視点を提供するやり方だ。
「礎となるコンテンツを作るベストな方法について考えるなら、いま流行しているものを追いかけてはいけない」とウォスナーは言う。「そうではなく、自分のオーディエンスに最大の価値を提供するもの、そして、自分やチームの資質や才能に最もフィットしたものに焦点を合わせるべきだ」
ソートリーダー(特定のジャンルや業界で革新的な方向性を打ち出す人物)として自分を売り込みたいなら、まずは事前のリサーチが肝心だ。その次には、話術や文章術がカギを握る。
「ポッドキャストを立ち上げてさまざまな人にインタビューするという、対話形式のコンテンツを目指してもいい。価値の高いユーチューブの動画シリーズを継続的に制作して、オーディエンスと共有する形でもいいだろう」とウォスナーはアドバイスする。「あるいは、基調講演を引き受けて、評判を高めるという方法もある」