グラブハブの親会社のオランダ企業ジャスト・イート・テイクアウェーは7月6日、米国のすべてのアマゾンプライム会員が、1年間無料でGrubhub+の料理宅配サービスを利用できるようになると発表した。Grubhub+は、通常は月額10ドルの費用がかかるサブスクリプションサービスだ。
ジャストイートは、この取り組みで、現状のビジネスに影響を与えずにGrubhub+のユーザー数を拡大することができると見込んでいる。
両社の契約は、1年ごとに更新される予定で、アマゾンはグラブハブへの出資比率を最大15%まで引き上げるオプションを保有している。ジャストイートは、グラブハブの売却も視野に入れていると述べている。
アムステルダム市場に上場するジャストイートの株価は、この発表を受けて一時18.84%高となった。
アマゾンプライムのサービス群にグラブハブを取り込むことは、アマゾンにとって初めての試みではない。同社は2015年、米国のいくつかの都市でプライム会員が地元のレストランから料理の宅配を注文できるサービス「Amazon Restaurants」を開始していた。しかし、アマゾンはグラブハブやウーバーイーツ、ポストメイツなどとの競争に敗れ、2019年にこのサービスを閉鎖していた。
昨年、アマゾンはジャストイートの欧州の競合であるデリバルー(Deliveroo)と契約を結び、英国とアイルランドのプライム会員向けに無料のフードデリバリーサービスの提供を開始した。2019年に、デリバルーはアマゾンが主導した資金調達ラウンドで5億7500万ドルを調達していた。
2020年に、ジャストイートはウーバーを抑えてグラブハブを73億ドルで買収した。この買収は、ジャストイートが米国で存在感を増すためのものだったが、投資家からの反発に直面していた。