中国政府が米国大使館のWeChat の投稿を削除、米高官が抗議

Getty Images

中国のソーシャルメディアのウェイボー(微博)とWeChatが、在中国米国大使館の公式アカウントの投稿を削除し、米国の政府高官らが抗議の声を上げている。

今回の投稿の削除は、ニコラス・バーンズ駐中米国大使の7月6日朝のツイートで明らかになった。それによると、ウェイボーとWeChat上の米国政府の公式アカウントが先週発信した、香港と最近のNATOサミットに関する投稿が何者かによって削除されたという。バーンズ大使は、この投稿の削除が「中国政府の仕業だ」と非難している。

大使は、「中国政府は自国民が米国の指導者の発言にアクセスできるようにすべきだ」と述べている。削除された投稿には、先日マドリードで開催されたNATO首脳会議でのバイデン大統領の発言が含まれていた。

大統領は、「中国が世界の秩序に課題をもたらしている」と記者会見で語り、中国政府の貿易の慣行が強圧的だと非難していた。

WeChatはまた、ブリンケン国務長官とアドリアン・ワトソン国家安全保障会議報道官の、香港についての声明にリンクする2つの投稿を削除していた。これらの声明は、中国が香港の民主主義と自由を脅かしていると非難する内容だった。

中国のネット検閲当局は、政府や国家の指導者に対する批判を快く思っておらず、国際的組織の投稿であっても削除対象としている。5月には、「中国のゼロコロナ政策は持続不可能だ」というWHOのテドロス事務局長の発言を共有した国連のウェイボーとWeChatの公式アカウントの投稿が削除されていた。

先月は中国の人気インフルエンサーのアカウントが、天安門事件の33周年を記念するライブ配信で、戦車の形をしたケーキを披露した後に、削除されていた。

また、中国のネット検閲当局は過去に、習近平国家主席に似ているという声があがったディズニーアニメのキャラクター「くまのプーさん」の画像を閲覧できないようにしたことがある。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事