マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授は、提唱する「成功循環モデル」で関係の質の重要性について説いているが、この質を作るための重要な要素が、個の理解である。
仲良くなりましょうと言って仲良くなれるわけではなく、それなりにともに時間を過ごす必要があるが、その入口により深い自己紹介の時間があると一気に距離を縮めることができる。
ダニエル・キム教授 成功の循環モデル
組織論やリーダーシップなどという固い話ではない。「自己紹介」という慣れ親しんだものが、実は組織作りのカギになるという話だ。
とはいえ、初めましてでない機会に自己紹介をどう取り入れるかに悩むかもしれない。これには、テンプレートを用意してしまうことをおすすめする。私のチームの例のように、過去・現在・未来を話してもらうのもよいし、ストレングスファインダーなどを使って自分の強みを軸に話してもらう、趣味の話を通して個性をさらけ出してもらうなど色々なやり方があるので試してみるとよいだろう。
私は人事として、リーダーとして、月に1回参加する別事業部のミーティングで、毎回異なるプレゼンターが自己紹介からスタートするのを見て、社内で新たなタレントを発見している。
個人は自己紹介を通して個性をオープンにする、会社やリーダーは数分の自己紹介で見える個性を最大化するために何ができるのかを考える、この好循環こそが個の時代の個と組織の関係のあり方になっていくはずだ。