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2022.07.06 12:30

サザビーズが最も希少なシェイクスピア戯曲集のオークションを開催

Getty Images

私たちはシェイクスピアに最も近い俳優、同僚、友人、そしてグローブ座の株主であったジョン・ヘミングスとヘンリー・コンデルの2人に文学的、社会的、哲学的に途方もないほどの恩義があることを忘れている。2人はシェイクスピアが死んだ1616年から7年後に、36の劇を集めて「ファースト・フォリオ」として知られている書籍を出版した。もしヘミンゲスとコンデルが編纂していなかったら、世界の文学にとってとてつもなく大きな損失だったといえば十分だろうか。この書籍がなければ失われていた18編の作品のうち、8編の名前を挙げてみるだけでもそれはわかる。『マクベス』『お気に召すまま』『じゃじゃ馬ならし』『テンペスト』『冬物語』『間違いの喜劇』『ヘンリー六世』そして『十二夜』。

7月21日にニューヨークでこのフォリオのオークションを開催するサザビーズの希少本部門によれば、今回出品されるのは399年前の印刷後、かなり早い時期に購入され、スコットランドに渡り、ゴードン家がその名を書き込んで代々所有してきたという。サザビーズは150万ドル(約2億400万円)から250万ドル(約3億4000万円)との見積もり結果を出しているが、多くの人の目に触れることで、もっと高い値段で落札されるだろうと予想している。

実際には競売人(オークショニア)が演台に立ち、番号札(パドル)が挙げられるまでは何が起こるかわからないが、個人所有のファースト・フォリオが20冊もないことは重要な点だ。今回その1冊がオークションにかけられることで、その個人所有の数が1冊減る可能性は十分すぎるほどある。別の表現をすれば、他のファースト・フォリオはすでに大英図書館、ニューヨーク公共図書館、フォルジャーなどの世界のすばらしい機関の手に渡っており、7月21日にも各機関の積極的な参加が期待されるのだ。

今回出品されるファースト・フォリオの非常にすばらしい点は、最初の所有者であるゴードン家とその相続人、譲受人が愛し、繰り返し読まれた生活感のある品であるというところだ。何人かがその上にサインを残している。とにかく最初の数百年は、誰もそれを売ることを考えていなかったようだ。それは権威であり、頼りになる精霊であり、祭壇であり、日記であり、告解者であり、生きものだった。サザビーズの希少本部門の専門家は、少なくとも5人の手による落書きやメモを特定している。著名なスコットランド人であったオーナーのウィリアム・スチュアート・スターリング・クロフォードは、自分の蔵書票をそこに貼り付けていた。
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翻訳=酒匂寛

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