先月には昨年1月6日に起きた米連邦議会乱入事件を調査する議会特別委員会の公聴会が開かれたが、今回の調査では驚くことに、共和党支持者の半分はその結果を踏まえて逆にトランプに投票する可能性が高くなったと答えた。
仮に大統領選で再対決となった場合、トランプを支持すると答えた人の割合は5月の前回調査から横ばいだった。一方、バイデンを支持するとした人の割合は4ポイント落ち込んだ。
民主党支持者では、バイデンが民主党の大統領候補に指名されるべきだと考える人が64%にのぼっている。共和党支持者でトランプを指名候補として推す人の割合はそれよりも低く55%にとどまるが、トランプはフロリダ州のロン・デサンティス知事(20%)やマイク・ペンス前副大統領(5%)ら、ほかに共和党候補として名前の挙がる人に比べるとはるかに高い人気をほこっている。
1日に結果が公表されたこの調査では、バイデンの支持率は40%と5月(38%)からほとんど変わらなかった。ただ、ロイターとイプソスが4月に公表した世論調査結果での45%などよりは低い数字になっている。米シカゴ大学の世論調査センター(NORC)が昨年5月に公表した調査結果では、バイデンの支持率は63%あった。
エマーソン大の最新調査でもっとも重要な課題に「経済」を挙げた人は58%にのぼり、5月から9ポイント跳ね上がっている。
トランプ支持の背景に「教育格差」
調査責任者のスペンサー・キンボルは、トランプへの支持に対する公聴会の影響には「教育格差」がみられると指摘する。公聴会の結果、トランプに投票する可能性は低くなったと答えた人は、大学院の学位取得者では51%と過半に達するのに対して、学歴が大卒以下の人では33%にとどまったという。
2020年の大統領選挙で勝利したバイデンは、一般投票の得票率でも約51%とトランプの約47%を上回った。トランプはこうした結果は不正によるものだと主張し、それが議会乱入事件をはじめとする支持者らの一連の抗議行動につながった。トランプの主張はこれまでに、虚偽であることが明らかにされている。
今回の調査によると、連邦最高裁が人工妊娠中絶を憲法で保障された権利とした1973年の「ロー対ウェード判決」を覆したことを受けて、議会が中絶の権利を法制化すべきだと考える国民は59%、女性では62%にのぼった。民主党支持者ではそう考える人が81%に達し、年齢層別では18〜29歳で76%ともっとも高かった。
議会の支持率はわずか19%、最高裁の支持率も36%にとどまっている。