2022年で103歳を迎えるわけですが、このカルピスづくりには大正時代からずっと同じカルピス菌が使われているのだそう。新鮮な牛乳から脂肪分を取り除いたものにカルピス菌を加え発酵させ、発酵することで増えたカルピス菌の一部を保存タンクに戻すということを続けて、秘伝のタレのようにカルピス菌を代々受け継ぎながら守っているのです。
カルピスは、カルピスの生みの親である三島海雲が内モンゴルで遊牧民たちに酸乳という飲料をすすめられて、おいしさと健康効果に驚いたことが原点になっています。乳酸菌に着目した三島が研究を重ねるうち、偶然発見したのがカルピス菌でした。
同じものをみつけることは不可能に近いため、一度失われてしまうともうカルピスをつくることはできなくなってしまいます。万が一に備えて冷凍されているカルピス菌の保管場所は、社内でも1%以下の人間しか知らないトップシークレットなのだそうです。
コンビニや自動販売機の普及でペットボトルなどに入ったそのまま飲める飲料がマーケットの主流となっていくなか、希釈タイプのカルピスは苦境に立たされたこともありました。ピンチを抜け出すために開発した、薄めずそのまま飲めるカルピスウォーターは大ヒット。「初恋の味」をうたうカルピス人気は依然根強く、今も世代を超えて愛されています。
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