世界経済フォーラム(WEF)、「年次総会2022」のアジェンダからご紹介します。
・ヨス・デ・ブロック氏が創業し、最高経営責任者を務めるオランダの在宅看護・介護組織ビュートゾルフでは、1万5000人以上の看護師が世界中で活躍し、地域密着型のケアサービスを提供しています。
・ビュートゾルフの自律型組織による手法は、生産性を高め、人材不足という課題に対処し、将来の働き手に魅力的な環境を提供する、とデ・ブロック氏は強調します。
・これは、管理職を減らし、より多くのスタッフに本来の活動に専念させることを意味しています。
「より積極的に効率よく仕事ができ、幸福感を味わえる秘訣とは何でしょうか。それは、管理職をなくし、チームが「自律」した組織として活動できるようにすることです」
このようにコメントしたのは、世界中で1万5000人以上の看護師が活躍し、地域密着型のケアサービスを提供する、オランダの革新的な在宅看護・介護組織ビュートゾルフの創業者であり最高経営責任者(CEO)の、ヨス・デ・ブロック氏です。
多くの国が、高齢化や医療従事者の不足が原因で、介護崩壊の危機に直面しています。世界経済フォーラムの白書では、ケアサービスへ投資することで、未対応であったヘルスケアの需要が満たされ、社会の流動性が高まり、経済成長が促進されることを明らかにしています。
しかしデ・ブロック氏は、スイスのダボスで開催された、世界経済フォーラム年次総会2022のセッション「仕事の未来(Jobs of Tomorrow)」で、次のように述べています。「生産性向上と人材確保のためにはケアサービスの組織手法を変革することが必要です」。
「世界中で(本来の自分の仕事に)専従している人々は、わずか20%に過ぎません。これは、生産性の低下だけでなく、健康状態の悪化にもつながるため、非常に大きな課題です。ケア従事者が新しい構想を柔軟に取り入れ、常に学ぶことができるような、そして効率の高い組織構造につながる職場環境を整える必要があると私は考えています」