プレゼンで聞き手を飽きさせない5つのコツ

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「ビジネス関連の多くの講演者の話を聞いていると、古い『ローン・レンジャー』の曲に乗って聞こえてくるフレーズを感じることがある。『data dump(データの山)、data dump、data dump dump dump!』というフレーズだ」と、プレゼンテーションの専門家マイロ・シャピロ(Milo Shapiro)は言う。

『ローン・レンジャー』のラジオやテレビドラマで流れていた、あの耳に残る曲は、クラシック音楽ファンにとっては、ジョアキーノ・ロッシーニが作曲した『ウィリアム・テル序曲』の一部だ。しかし今後は我々も、「データの山」を思い出さずに聞くことはできなくなりそうだ。

シャピロによれば、問題は、「データは重要ではない」ということではない。また、話し手が話す内容に聞き手の興味を引きつける努力をしない、あるいは、その方法を知らないことが問題なのでもない。問題は、自分の会社や主張、キャリアを売り込むプレゼンテーションをするにあたっての準備不足にある。

筆者の考えでは、高報酬のクライアントを引きつける最高のマーケティングツールは、本を書くことだ。シャピロも、『Public Speaking: Get A’s, Not Zzzzzz’s! (パブリック・スピーキング:居眠りでなく高評価を得よう)』という書籍でそれを実践している。自分の本について話すことが最高のビジネス開発戦略だが、多くのビジネス関連の講演者はそこでつまずいている、とシャピロは言う。

シャピロは2004年から、経営幹部からマネージャー、営業担当者まで、何千人もの人々に対して、どんな場で話すときにも、準備と洗練、力強さを備えた講演ができるよう手助けしてきた。やり方は、1対1のコーチング(ライブとリモート)、クラス、カンファレンスでの講演、ウェビナー、ブログを通じてだ。

シャピロは、人前で話すときに人々の興味関心を引き続けるための5つのコツを紹介している。

最初に話をまとめない:「話のテーマを提示することは、人々をミーティングに召集するにはいいことだ。しかし、いざ集まったところで、これから何を話すかを並べたてるのは退屈なことだ」とシャピロは言う。「代わりに、冒頭の時間を使って、これから話す内容について、相手の興味をそそるようにしよう」

例え話をふんだんに盛り込む:「脳が処理できる連続的なデータには限りがあるが、例を挙げることで、途中のデータポイントに命が吹き込まれる」とシャピロは言う。「そのおかげで理解が深まり、次のデータポイントに向かう準備が整う」

声に出して練習する:「当たり前のことに思えるかもしれないが、私がコーチングする前に、これを実践しているクライアントは半分もいない」とシャピロは言う。

「用意した原稿を読み上げてみることで、言い回しがぎこちない、声に出すと長すぎる、つっかえやすいフレーズがあるといった点に気づくことができる。さらに、箇条書きにした内容を自分で口に出してみると、その内容について本当に話す準備ができているか、頭で考えたことを口頭で明確に伝えられるかがわかる。読み上げることで、話の脱線や後戻り、細かい点を忘れてしまうことなどを避けることができる」
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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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