BYDの上半期のEV販売台数は前年同期比で315%増の64万1350台に達し、上海でのロックダウンによる懸念を払拭した。同社の6月の販売台数は、5月の11万4943台を上回っている。
香港市場に上場するBYDの株価は、過去1年間で35%上昇し、時価総額はGMとフォードの合計を上回っている。中国では、政府のゼロコロナ政策によって2カ月に及ぶロックダウンが実施され、世界のサプライチェーンを圧迫した。しかし、上海での規制は6月1日に緩和された。
中国のより小規模なEVメーカーであるXPeng、NIO、Li Autoの3社も、6月の販売台数が前年同月比で増加したと報告した。
BYDは、EVだけでなく携帯電話のコンポーネントや太陽光発電の機器も製造し、事業内容はライバル企業よりも多角的だ。同社の顧客にはデルやアップル、シャオミ、ファーウェイらが含まれる。ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイはBYDの7.7%の株式を保有している。
新華社通信によると、BYDは6月30日、安徽省の合肥市にある22億ドルの新工場で、最初の車両を生産した。同社の王伝福会長は安徽省の貧しい村で1966年に生まれ、8人兄弟の家庭で育ったとされる。フォーブスは、現在の王伝福会長の保有資産を239億ドル(約3.2兆円)と試算している。