韓国のコリア・ヘラルドは6月20日、SPCグループがシンガポールに隣接するマレーシアのジョホール州に、400億ウォン（約40億円）を投じてハラール認証の食品工場を建設すると伝えた。この工場は、港に近く、東南アジア全域と中東に商品を出荷可能という。
今回の取り組みは、韓国の「フランチャイズ王」と呼ばれるSPCグループ会長の許英寅氏（ホ・ヨンイン）の長男のHur Jin-sooが主導している。Jin-sooは、昨年12月から同グループのベーカリーカフェ部門の社長を務めている。
SPCグループは韓国で、「ダンキンドーナツ」やアイスクリームの「バスキン・ロビンス」、イタリアンカフェの「パスクッチ」、ハンバーガーチェーンの「シェイクシャック」などを運営している。
同社のジョホール工場は来年6月に完成する予定で、100種類のパンやケーキなどの食品をすべてイスラム法に則った形で調理する。SPCグループは、現地でスターバックスコーヒーやセブンイレブンを展開するベルジャヤフード（Berjaya Food）と合弁会社を設立している。
クアラルンプールに拠点を置くシンクタンクInstitute of Strategic & International Studies Malaysiaのシニアディレクターを務めるAlizan Mahadiは、「マレーシアにハラール食品のハブを置くことは、理にかなった戦略だ。マレーシアは、イスラム圏で最も優れたハラール認証の基準を確立している」と述べた。
マレーシア政府は1974年からハラール食品の標準化に取り組み、2000年に他のイスラム諸国に先駆けて最初のハラール基準を制定した。マレーシアのハラール認証は、サウジアラビアに次いで厳しい規格とされ、この認証を取得できればイスラム圏のほとんどの国に輸出ができるとされている。
