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2022.07.08

ビジネスの成功のための賢い選択として、グローバル一丸となって推進するファイザーのダイバーシティ

ダイバーシティ&インクルージョンに公平性(エクイティ)を加えた「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)」が重要であると考える米ファイザー社。その日本法人であるファイザー株式会社は、DEI活動の一環としての女性活躍推進の取り組みが評価され、Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2021「企業部門 従業員規模別1,000名以上の部」にて第10位に入賞しました。今回は、女性活躍推進活動 “Japan Pfizer Women’s Resource Group” のリーダーを務める、取締役執行役員オンコロジー部門長サビーネ・ジリアム氏にお話を聞きました。


ビジネスの成功のために、男性も参加する女性活躍推進活動


━━DEIを推進する中での、女性活躍の意義について教えていただけますか。


ファイザーにおけるDEIは、多様な人々をインクルージョン(包摂)する取り組みであり、特別にジェンダーギャップを強調したものではありません。しかし、DEIを日本で展開することを考えたとき、最も必要性のある項目だと考えられたのが「女性の活躍推進」でした。

そこでまずは、女性たちの潜在能力を解き放つことを目指して活動しています。それによって多様性をさらに促進していきたいと考えています。ジェンダーダイバーシティが進んでいる企業には、ビジネスの結果がついてくるためです。

ただ意識をしているだけではなく、2025年までに当社はグローバル全体でシニア・ディレクター以上の役職に就く女性を47%以上にすることを、2019年に公表しました。

━━“JWC(Japan Womenʼs Council)”、また“Japan Pfizer Women’s Resource Group (JPWR)”の活動について、具体的に教えていただけますか?

Japan Women’s Council(JWC)は、2009 年に立ち上げられました。グローバルの取り組みの一環として、女性に限らないシニアマネジャーが集い、女性活躍推進のための施策を企画・実行する組織です。同時に、施策の対象となる若手女性社員によるネットワークグループ(JWCRG:Japan Women’s Colleague Resource Group)が創られ、2年ごとに約30名の選抜メンバーが、イベントや研修を通じて部門を越えたネットワークを構築してきました。

現在は、グローバルの方針に沿う形でJapan Pfizer Women’s Resource Group (JPWR)に名称を変更し、引き続き全社で女性活躍推進のための様々な施策を企画・検討しています。

JPWRでは、女性自身のキャリアを考え、それを周囲に伝播させていくという流れで、ワークショップやデータの収集・分析などのグループワークを行っています。これらを全社に共有することで、社員にジェンダーダイバーシティの重要性について認識を高めてもらい、エクイティの精神に則ったインクルーシブな文化を伝播できるように工夫をしています。

また、この活動に多くの男性社員が関わっているということを重要なポイントとして挙げたいと思います。ファイザーの営業組織の構成はまだまだ男性が多いことが課題ですので、この活動に男性が関与することが非常に良い影響を与えると考えています。

ファイザージャパンにおける女性のキャリア支援には長い歴史がありますが、同様に、ジェンダーダイバーシティをしっかりと認め合える職場環境を築いていきたいと思っています。それは、ビジネスにプラスになるという意味はもちろん、多様性があることによって職場の雰囲気が良いものになるということを、社員全員が真に理解するという目的もあります。

全員がサーベイに協力し、アンコンシャスバイアスに向き合う


━━グローバル全体での取り組みとのことですが、日本で特に意識されていることはありますか?

現在のJPWRは、ファイザージャパンのあらゆる部署からの代表メンバーで構成されています。学んだことや議論したことをそれぞれの部署に持ち帰り、広めていくのです。DEIについて考える会話をリードする推進者として活躍しており、非常に重要な草の根活動になっていると思います。



「日本だからこその期待」というのは無く、ファイザーグローバル全体で努力をしているのですが、やはりジェンダー面では他国と比べて日本は進捗が遅いため、重要視しています。

各国のベストプラクティスがグローバルで共有されているので、それらの取り組みも参考にします。例えば国際女性デーなどは、グローバル全体で一緒に社内外へ啓発を行いますが、取り組み内容は、各国の実態やニーズに合う形で行います。

具体的に日本では、今年の国際女性デーのテーマである “ #BreakTheBias ” からインスピレーションを受けて、アンコンシャスバイアスに関する全社イベントを企画しており、外部スピーカーをお招きしてオンラインで全社員を対象に実施します。そのイベントに先駆けて、全社員を対象にしたオンラインサーベイを実施しました。社員が、アンコンシャスバイアスについてどう考えているのかを可視化するための調査です。サーベイは、内閣府の男女共同参画局が作成したチェックシートを参考に、ファイザージャパン独自の項目を盛り込んで設計しました。その結果をイベントの企画に盛り込む予定です。

多くの人が知らず知らずのうちにバイアスを持っているという事実をしっかりと理解する必要がありますし、それを自覚し、自分自身の言動を変えるというところまでサポートをしていきたいと考えています。

━━アンコンシャスバイアスの研修を取り入れている企業は多いですが、サーベイまで実施しているというのは本格的ですね。

私たちがDEIに取り組むにあたって意識しているのは、Before/Afterの姿を明確にしたいということです。そうすることで、より自分事に感じてもらえると考えているからです。

単に研修を行っただけでは、「自分はバイアスなんて持っていない」と考える社員もいるかもしれません。しかしサーベイによって浮き彫りにすることで、自分自身への理解も深まります。より説得力のあるイベントになりますし、社員による、よりオープンな話し合いへとつながることを期待しています。

個人的な経験からも、こういった気づきを得ることは健康診断のような良い機会になると思っています。ジェンダーだけではなく他の分野に関しても、多くのバイアスを知らないうちに抱えているのが人間です。まずは認識することが大きな一歩であり、それによって行動や発言の制約や制限から解き放たれると考えています。

役職者の女性比率が高いのは、フェアに選考をした結果に過ぎない


━━ファイザー様では、役員17名中7名が女性で、その割合は4割を超えています。課長、部長、役員と役職が上がるほど女性の比率が高いというのが、他の企業と比較しても非常に特徴的だと思います。

ファイザーはグローバル全体で、すべての空きポジションがジョブポスティング(社内公募制度)によって選ばれる、という明確なプロセスがあります。どの役職においても、厳しい選考試験や面接のプロセスを踏む必要があり、その競争率も非常に高いものとなっています。

そして、応募者の中からそのポジションに最も適した人材が属性に関係なく選ばれています。日本はその結果として、たまたま役職が上がるにつれて女性が多くなっているに過ぎません。また私自身が一例ですが、性別というダイバーシティだけではなく、外国人が役員になっているというケースもあります。どの役職においても、厳しい選考の結果、最適な人が選ばれているだけなのです。

━━人材活用のあるべき姿ですね。

これは、ファイザーのValues & Behaviorsに大きく関係していると思います。ファイザーの社員の行動は、Courage(勇気)、Excellence(卓越)、Equity(公平)、Joy(喜び)という4つのValues & Behaviorsに基づいています。

Equity(公平)は、「平等に機会を与える」ということではなく、「一人ひとりをしっかり見て、その人のニーズにあったサポートを提供する」ということを基本的な考え方にしています。



つまり、人材育成に関しては平等にサポートを提供するけれども、選考に関しては「そのポジションにおいて誰がベストか」という観点だけで選ぶということになります。そこに、女性だから、マイノリティだからという観点は一切ありません。

ただ、一般的に女性は、なかなか上昇志向を持ちづらかったり、キャリアにおいて多少のハンデがあったりすると言われていますよね。その点において、女性に対してより具体的なサポートが必要になるということはあります。

ファイザーでは、全ての社員がしっかりと目をかけられ、自分の意見を聞いてもらえて、気にかけてもらえるという環境を創りたいと思っています。そうすることによって、社員一人ひとりの潜在能力が解き放たれ、また全社員にとって素晴らしい職場になればよいと考えているからです。

ダイバーシティには、ジェンダーに限らず、障がい、性的マイノリティそしてジェネレーションギャップなど、さまざまな側面があります。それらに向き合うことによって、社内のオープンな雰囲気を創りたいのです。全ては、社員による草の根活動が主体になっています。ファイザー特有のものかはわかりませんが、間違いなく今うまくいっている要因の一つだと思いますね。

━━男性の育休取得率向上などにも積極的に取り組んでいることから、社員はもちろん、そのご家族の幸せまで考えていらっしゃる様子がうかがえました。

ファイザーでは、社員の多様な働き方を可能にする取り組みを展開しています。フレックスタイム制度はもちろん、勤務場所に制限なくどこでも勤務ができるワークアットホーム制度もあります。「ワーク・ライフマネジメント」という考え方で、社員が自律的に自分の働き方をデザインし、イキイキと仕事に取り組めるような工夫をしています。


▲ファイザー株式会社 採用ページより

育児休業もその一つで、まさに社員の家族の幸せまで考えたいと思って取り組んでいます。私たちは今できるベストを尽くしていますが、社会という大きな単位で見たときには、男性の育児参加についてはいまだ課題があるように感じます。企業努力だけではなく、社会全体で取り組むべき課題だと認識しています。

取り組みは、自信を持って社外に発信すべき


━━Forbes JAPAN WOMEN AWARDには、2021年に初めてご参加いただきました。エントリーのきっかけを教えていただけますか?

昨年、アワードについて知った時は、なんでこれまで参加しなかったんだろう?と思ったぐらいです(笑)。ファイザージャパンとしては、自分たち自身の変革に一生懸命に取り組んでいたので、社内にフォーカスをしていて、社外に発信するというところまで意識が及んでいなかったのだと思います。

ある時、私が共同代表を務めるJapan DEI Council(ファイザージャパン全体でDEIについて四半期ごとに討議する場) において、「こんなに素晴らしい取り組みをやっているのに、なぜ社外に発信をしないの?」と声をかけられたことがきっかけでエントリーしました。

本当に参加してみてよかったと思っています。このように今、インタビューをしていただいていますしね(笑)。当社の事例を知り、自分たちもこんな取り組みをやってみようかな?と思っていただくきっかけになればうれしいです。

━━受賞後の効果についてはいかがですか?

多くの方に賞賛をしていただきましたが、それ以上に、私たち自身が非常に勇気づけられましたし、モチベーションも上がりました。自分たちが地道にやってきたことが正しかったんだ、と改めて示された気がしました。この取り組みには多くの社員も関わっているので、社内でもさらにDEIを推し進めようという空気になったのではないかと思っています。

なぜこの問題に取り組むのか、その “Why” に立ち返ることが大事


━━近年、働き方の価値観が大きく変わったことで、ジェンダー平等への声も高まってきています。企業は今何を見直すべきか、ご意見をおうかがいできますか?


こういった労働環境の変化の最大のきっかけはコロナ禍だと思います。在宅勤務・リモート勤務の普及が、今まで以上に加速したのではないでしょうか。そして最も大きな恩恵を受けたのは、おそらく女性たちでしょう。



私は今の労働環境が、コロナ禍以前の環境に戻らないことを切に願っています。このまま、柔軟性のある働き方が社会全体で継続すればいいなと思っています。

やはり今でも、育児や介護など、家庭でのケアを担う主体は女性が多いのが現状です。

その中でもキャリアアップをしたいと考えている方もたくさんいらっしゃいます。こういった働き方の変化、特に「リモートで働く」というオプションが出てきたことは、さまざまな立場での責任を担う女性にとって、少しは働きやすくなるのではないでしょうか。

そういった中で、企業は「そもそもなぜダイバーシティ推進の取り組みをするのか」ということを、常に念頭においておく必要があると思います。なぜジェンダーパリティ(公正)が重要なのか。なぜ職場の女性比率を増やすのか。その「なぜ」の部分を考えるべきでしょう。

ダイバーシティがあることによって、イノベーションやブレークスルーが生まれ、人も企業も成長し成功できる、ということは研究結果でも明らかになっています。結果的にビジネスの成功につながるということです。

先ほどEquity(公平)の話をしましたが、全ての社員一人ひとりが、自分自身のポテンシャルに相応のチャンスを手にする機会がなくてはならないと思っています。自分の描くキャリアの成功を実現できる機会が与えられるべきです。その点、日本は男性優位の古い社会の固定観念が根深く残っていることは否定できません。もっと女性が社会に進出していれば、今のような経済的な課題は無かったかもしれません。そういった意味でも、女性の離職率を下げ、より積極的にビジネスの場に参加してくれるように働きかける必要があると思います。

ダイバーシティ推進や女性活躍推進は、「倫理的に正しいことだからやる」というのは当たり前ですが、「ビジネスの成功のための賢い選択としてやる」という観点を持った上で、あらゆる人が能力を十分に発揮できる職場づくりを展開するべきではないでしょうか。

━━最後に、今後チャレンジしたいことを教えてください。
 
先にお話ししましたとおり、ファイザー全体の目標として、シニア・ディレクター以上の職に就く女性の割合を47%以上まで引き上げることを掲げており、日本もそれに向けて引き続き努力していきたいと思っています。

やらなければいけないことはたくさんあります。大きなテーマは、営業組織の変革です。ファイザーに限らず、製薬業界全体の課題ですが、MR(医薬情報担当者)と呼ばれる営業職は今現在も男性主体の組織になっています。本社には職種によって、女性が半数以上という組織もあるので、今後はより課題のある部署にフォーカスした施策を進めていきたいですね。

私はこれまで6年間の女性活躍推進の活動に関わり、そして2020年からはJPWRの共同代表を務めていますが、本当に長い道のりを経て、コツコツと変化してきたと思います。今後も、さらなる進化を遂げる自信があるとお伝えしたいです。


 

Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2022
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経済面におけるジェンダーギャップ解消に寄与するアワードへ

本アワードは、人数比率や育休比率、福利厚生などの「働きやすさ」を基準にした選出ではなく、女性リーダー、プロフェッショナルを続々と輩出している企業と、自ら道を切り拓き自分らしく働く女性を讃えるアワードとして、2016年に発足しました。

アワードに使用されるサーベイは、LiBが8年にわたり女性活躍の領域で蓄積してきたノウハウをもとにした設計方針が支持され、多くの企業様にご導入いただいています。2022年度は、コロナ禍を経て大きな変化を遂げた「働き方」に関する調査項目を増やすなど、より実情に即した形へとアップデート。

企業における「柔軟で多様な働き方の推進」と「性差なき活躍」との相関を探ります。今年度の参加登録受付は、7月8日(金)、エントリー締切は7月15日(金)まで。

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