米国輸出国トップ10をみるとアジア偏重ではないことがわかる

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2021年の米国貿易相手国トップ10では、アジア諸国で初めて過半数を占めた。それは現在も変わらないが、米国の輸出相手国のトップ10は少し異なっている。

2021年米国輸出相手国(総額6510億ドル)

1. カナダ 17%
2. メキシコ 16%
3. 中国 7.3%
4. 日本 4.0%
5. 英国 3.7%
6. ドイツ 3.6%
7. 韓国 3.5%
8. オランダ 3.4%
9. ブラジル 2.6%
10. インド 2.4%

前年と比べてアジア諸国は6カ国から4カ国へ、西半球諸国は2カ国から3カ国へ、欧州諸国は2カ国から3カ国になっている。

オランダとブラジルは米国の貿易相手国ランキングには入っていないが、米国にとって強力な輸出市場だ。前者は貨物積替えハブであること、後者はその経済規模と近隣国であることがそれぞれの理由だ。

輸出入総額ではトップ10に入っているが輸出では外れているアジアの2カ国はベトナムと台湾だ。

米国の輸出相手国トップ10が、2022年1~4月の総輸出額に占める割合は3分の2に満たない。国製調査局の最新データによる。

アジア諸国を除くと、貿易は輸出に傾く。

米国の全世界貿易総額を見てみると、その39%が米国からの輸出である。輸出トップ10だけを見ると、数字はわずかに減って38%だ。

しかし、トップ10入りした欧州3国との貿易収支を見ると、パーセンテージは45%に増える。これは、米国がオランダと英国両方に対して、それぞれ98億ドル(約1兆3400億円)と46.4億ドル(約6330億円)の貿易黒字だからで、ドイツとの貿易赤字207.2億ドル(約2兆8267億円)をほぼ相殺している。

輸出トップ10入りした西半球諸国との貿易収支は43%だった。米国はカナダ(284.1億ドル、約3兆8758億円)とメキシコ(418.8億ドル、約5兆1337億円)に対しては貿易赤字を抱えており、ブラジルに対しては57.4億ドルの黒字だった。

トップ10中、米国の貿易収支が最大なのがオランダの64% で、ブラジルが60%で続いている。

翻訳=高橋信夫

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