前者はプログラマティック広告の出稿プラットフォームを運営している。ブランドは同社のソフトウェアを使ってデジタル広告のスポットをリアルタイムで購入し、そのコマーシャルをコネクテッドTVやウェブなどのデジタル領域にシームレスに配置する。グローバルに展開するネットフリックスは、究極のコネクテッドTVプラットフォームといえる。先週までは、そうしたプラットフォームにリーチすることは夢物語だった。
残念ながら、トレード・デスクの株主にとって、短期的には少々危険な状況かもしれない。ネットフリックスがグーグルやコムキャストの一部門であるNBCユニバーサルと広告販売で提携するという信憑性のある報道があったからだ。
繰り返すが、投資家はまずトレード・デスク株を売り、これが最終的に何を意味するのかについては後で質問することになると考える。
NBCユニバーサルは、ネットフリックスにとって奇妙な選択肢だろう。同社は現在、ネットフリックスのマイナーな競合相手であるアップルと広告で緊密に連携している。NBCユニバーサルはまた、ネットフリックスと競合するストリーミングサービスの「ピーコック」と兄弟関係にある。
グーグルはもっと興味をそそられる。同社の子会社YouTubeの売上高はネットフリックスに匹敵し、成長スピードも速い。グーグルは現在、ネットフリックスのもう1つのライバルであるウォルト・ディズニーの広告パートナーでもある。
一方、グーグルは最大のネットワークを持つデジタル広告のパイオニアであり、Google Cloudとの連携も魅力的だ。広告とクラウドコンピューティングの両方でネットフリックスを獲得できれば、株価が上昇することは間違いないだろう。
余談だが、ネットフリックスが最終的にグーグルクラウドに移行した場合、現在AWSを提供しているアマゾン・ドット・コムにとっては大きな損失となる。
筆者が何をいいたいかはわかっていただけると思う。短期的には、ほとんどのシナリオで株価の下落が予想される。投資家は現在、ネットフリックスのデジタル広告追加は、このセクターにとって純粋にマイナスだと推測している。
究極的には、これは真実から遠い。
ネットフリックスがデジタル広告の猛攻に加わることで、すべてが良い方向に変化する。世界最大のコネクテッドTVプラットフォームで、グローバルなターゲット広告を配信できるようになる。デジタル広告の一覧表が増えるということだ。アナログ広告からデジタル広告への移行が加速される。これは画期的なことだ。
投資家がこれを理解するにはしばらくかかるだろう。