米男性の間に新たな感染症の流行、髄膜炎菌で死者も

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ワクチン接種が特に重要


適切な治療を行った場合でも、髄膜炎菌感染症は予後不良となることが多い。そのためこの感染症は流行への対応と予防の両面において、特にワクチン接種が重要だとされている。

CDCは現在、ゲイ、バイセクシャルの男性など男性とセックスをする男性を中心に、フロリダ州居住者に髄膜炎菌結合型ワクチン(MenACWY)の接種を推奨している。HIV感染者は定期的な接種が必要なほか、同州を訪れる予定があるその他の人たちも、ワクチン接種について医師に相談する必要があるだろう。

州知事は「反科学」


今回の髄膜炎菌感染症の流行は、フロリダ州にとって特に困難な時期に発生した。公衆衛生当局は(新型コロナウイルスのパンデミックへの対応で)すでにパンク寸前なところに、サル痘ウイルスの感染者も、全米で注意が必要な状況となっている。

米国で確認されたサル痘感染者は、6月28日の時点で306人。フロリダ州では27人だ。そして、州内の新型コロナウイルスの感染者は、再び増加傾向にある。

フロリダは、保健当局が子どもを対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種を行っていない唯一の州だ。ロン・デサンティス知事は、新型コロナウイルスのワクチンを「州として注文することはない」と明言している。

11月の中間選挙と同時に行われる州知事選への出馬を表明しているニッキー・フリード州農務長官はこれについて、知事と(同州のジョセフ・ラダポ)公衆衛生局長が見せたもう一つの、“反科学の危険な新型コロナウイルス否認主義”の態度だと指摘している。

編集=木内涼子

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