著名クラブも採用、サッカー界の才能発掘に革命を起こすAIアプリ

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このアプリを使用しているクラブは、自分たちが求める資質を正確に指定することができる。例えばチェルシーの場合、スカウトの初期段階では、パワーとスピードを重視している。こうした特性を欠く選手はチェルシー入りすることはできないが、他の資質が他のクラブにぴったりマッチすることはあり得る。

AiSCOUTアプリは、前もって選手をふるいにかけるツールとしてだけでなく、スカウトがこれまで見逃していた選手を発見するのにも役立つ。

このアプリの初期テストでは、ベン・グリーンウッド(Ben Greenwood)という選手が発掘されている。チェルシーの1日限定のトライアルに招待されたこの選手は、最終的に10週間にわたってチェルシーにとどまり、現在はAFCボーンマスに所属している。

来季からイングランド・プレミアリーグに昇格する同クラブで、グリーンウッドは、トップチームに帯同してプレシーズンマッチでプレイしたほか、アイルランド代表の年代別代表チームでもキャップを獲得した。

グリーンウッドがかつて住んでいた場所は、チェルシーの練習場から数kmしか離れていなかったが、このアプリを利用するまでは、同クラブをはじめ、プロのクラブから注目を集めることは一切なかった。

ただし、才能ある若手選手を数多く擁するチェルシーのようなチームは、新たな選手の発掘に関して、手助けはそれほど必要ないかもしれない。AIが実際にスカウティングの世界を一変させるとしたらそれは、超有名チームほどの充実したスカウト網を持たないチームを支援することを通じてだろう。

例えば小国の代表チームも、このアプリを使えば、有望な新しい選手を合宿に招待できるようになるだろう。世界各地には、既存のサッカー界のシステムには属していないが、選手として成功をつかむための資質をすべて兼ね備えている有望な若者が数多くいるはずだ。スカウトが自力では決して探し出せないこうした分野をAIが活用できれば、どれだけの才能を見つけられるだろうか。その可能性は無限大だ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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