ビジネス

2022.07.03 06:00

マスターカードがジッピンと提携、ショップ・エニウェアを拡大へ


これまでにジッピンの技術が導入された最大の店舗は、ホーム・サービス・オイル(Home Service Oil)の運営する広さ約370平方メートルのコンビニエンス・ストア「ウェスト・マーケット」だ。ミズーリ州セントルイスの郊外にあるこのコンビニでは、2500種類超の品目が販売されている。

これまでに、空港を含めたジッピン導入店舗でショッピングを体験した人は50万人を超える。同社によれば、新たな店舗が立ち上げられるたびに、AIがディープラーニング(深層学習)や動的データ、さらには店舗運営、在庫量、消費者行動に関する知見を活用し、よりカスタマイズされた体験を消費者に提供するのを支援するという。

ジッピンの技術が導入されている、コロラド州デンバーのアメフトスタジアム「エンパワー・フィールド・アット・マイル・ハイ」では、販売取引に要する平均時間が、およそ2分から37秒に短縮され、取引の30%で、所要時間がわずか15秒以下になっている。これにより、販売のピーク時間帯における取引が42%増加したほか、1試合あたりの総売上も引き上げられた。

ロンドンを拠点とするグローバルデータのテーマ別調査アナリスト、ジェミマ・ウォーカー(Jemima Walker)は2021年末、レジなしコマースに関する予測として、次のように述べていた。「テスコ、アルディ、セインズベリーズ、カルフールなど、この技術をすでに導入している小売事業者は、競合他社がレジなし小売レースに続々と参入する2022年には、自分たちのアドバンテージが侵食されるのを目にすることになるだろう。レジなし店舗は世界的に拡大を続け、このトレンドを追えない大手小売事業者は、業績でおくれをとっていることに気がつくだろう」

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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