今回の新たなグローバル提携契約の結果として生まれる店舗の第1陣は、2022年夏に米国、ヨーロッパ、南米に登場する予定だ。ただしマスターカードは、新店舗の展開にあたって提携する小売事業者をまだ公表していない。
ジッピンは声明のなかで、同社の「極めて正確な」コンピュータービジョン・センサー融合技術がショップ・エニウェアに統合され、スタジアムやイベント会場からコンビニエンス・ストア、ショッピングモール、空港まで、さまざまな物理的空間で使用できるようになると述べている。
ショップ・エニウェアは、2020年後半に試験運用が始まった。コンビニのサークルKや、ファストフードのダンキン、ハンバーガーチェーン「ホワイト・キャッスル」、そして、スポーツスタジアムやリゾートなどのさまざまな施設やレストラン等の運営を受託し代行する「デラウェア・ノース(Delaware North)」が参加している。以来、新たな小売事業者の獲得という点ではあまり前進が見られていないが、マスターカードがジッピンと提携することで、ジッピンの定評ある技術を活用して事業を拡大できれば、そうした状況が変わる可能性がある。
年末までに200カ所が目標
サンフランシスコを拠点とするジッピンの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のクリシュナ・モツクリは、質問に答えて次のようにコメントした。「ショップ・エニウェアと提携することで、当社のAIプラットフォームを通じて、旅行、スポーツ、エンターテイメント、高等教育、医療、モールといった分野の小売事業者に、より魅力的な価値を提案できるようになる」
ジッピンは現在までに、アラマーク、コンパス/レビー(Compass/Levy)、SSPアメリカ(SSP America)といったホスピタリティ/ケータリンググループとの提携により、全米の40店舗超と国外の10店舗でレジなしショッピングを提供している。マスターカードとの提携を支えに、2022年末までに200カ所でサービスを提供したいとジッピンは期待している。